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(2) カナダ運輸省(Transport Canada)の組織

 

カナダ運輸省は、連邦政府の規制緩和政策のもと様々な組織内容の変遷を経ている。しかし、カナダの交通システムヘの普遍的なアクセスを確保するという原理は一貫して保持されている。基本的な役割である、「最適な交通システム実現のための開発および政策、規則の策定、サービスの管理を軸に交通のアクセシビリティの確保に取り組んでいる。組織の構成は、運輸大臣、次官の元に「政策部門」、「交通安全とセキュリティ部門」、「計画部門」、「地域部門」の4つの部門からなる(図3-2-1)。「交通安全とセキュリティ部門」では外郭団体として研究と開発を行うTDC(交通開発センター ; 後述)が設置されている。

 

図3-2-1 カナダ運輸省の組織図

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さらに、現在、省庁間プログラム、国際関係、戦略的プランニングおよび開発、テクノロジーに関するモニタリング等の実施を目的とした、アクセシブル交通政策・プログラム理事会(Accessible Transportation Policy and Programs Directorate)がオタワに設置されている。同理事会は、以下の4点の主要分野でアクセシビリティ確保のためのサポートを推進している :

・政策策定

・研究開発プログラム

・特別プログラムヘの資金投入

・自主規格(CSA、SAE、ISO)策定への助言と支援

 

(3) カナダの交通のアクセシブル化に関する歴史的経緯

 

カナダではこの20年間に交通のアクセシビリティの向上について様々な試みがなされている。表3-2-1はアクセシビリティの確保に関する歴史的な重要事項をまとめたものである。表には掲載されていないが、この他にも交通に関する各種の会議、ワークショップ、調査、公聴会、および人権法に基づく裁判訴訟などが挙げられる。

また、表3-2-1には、カナダの交通産業(特に車両開発)がアクセシブルなバスの開発に主導的な役割を果たし、交通事業者が積極的にそうした車両を導入してきたことが示されている。

 

 

 

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