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4]ADAに対応した整備に際しての住民参加の状況

 

州レベルでのアクセスに関する住民参加については、どの地域においても住民が深く関わっているわけではない。キーステーションなどの整備では関わることもあるが、通常はADAに対応していれば問題はないはずなので、その点ではその都度住民に参加してもらう必要性は低いと言う認識である(諮問機関は設置している)。

 

5]今後の計画および課題

 

運輸省内部ではアクセスの問題について、長官を先頭に法律を越えて航空局なども含めたアクセスのルールをつくろうとしている。これは、乗り継ぎ、インターモーダル化を意識していることによるものである。

通常は、公共交通にかわる代替的な方法を検討することは、非常にコスト高になる。既存の公共交通に手を加えて充実させていくことのほうが得策といえる。航空などでは、たとえば日本とアメリカの調整も必要になってくるので、難しい部分である。

 

(5) 州レベルの取り組み

 

州レベルでは、公共交通に関しては連邦資金を受けた整備が中心である。連邦資金の使い道はミニマムスタンダードを達成する整備をしなければならないとされている。FTA予算も増え、新しい用途が広がっていく状況にある。LRTの整備が多いが、これは新しい都市形成の一環として100万人以上の都市を対象とする場合が多い。また、TEA21により予算の流用が可能になったが、州のスタンスにより公共交通への対応が異なっている実態がある。基本的には道路整備に大きな予算が割かれる状況は変わっておらず、公共交通整備に積極的な態度を示していない州では、フレキシブルファンドがあっても、あまり流用は期待できない状況にある。

 

(6) 地方自治体レベルの取り組み

 

ここでは直接的な地方自治体の予算によるプロジェクトではないが、連邦政府を中心に取り組まれている新しいプロジェクトについて述べる。「リバブル・コミュニティ(Livable Community)」をキャッチフレーズにEquity Congestive, Environment, Community, Economy等の課題に即して、生活しやすいコミュニティの形成が目標とされている。およそ200ヶ所の地域で、どのような地域社会にしたいかという住民投票を実施し、一部(22ヶ所)ではすでにプロジェクトが動きはじめている。

米国における住みやすいコミュニティとは3Eで表される:

-Environment

-Economic, Sensitivity, Security

-Social Equity

 

 

 

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