全米規模のNPOである全米コミュニティ・トランスポート協会(以下CTAA)、時限的なプログラムによって障害者の交通へのアクセス改善に取り組むプロジェクト・アクション(Project ACTION)の活動状況、事業内容、組織運営の仕組みについて調査した。
(2) カナダ
オタワでは中央政府のカナダ運輸省(Transport Canada)へのヒアリング調査により、全国レベルの対策状況を把握した。また、運輸省の外郭研究・開発機関である交通開発センター(Transportation Development Center)を調査し、カナダの交通のアクセシビリティを進展させてきた役割について把握した。さらに、利用者と交通事業者の間でのアクセシビリティに関するトラブルについての調停、交通事業者の業界ごとの任意規則の策定などを行う交通事業監督局(Canadian Transportation Agency)についてその役割を調査した。
バンクーバーでは、バンクーバー都市圏独自の交通事業体であるトランズリンク(Trans Link)の調査を行った(1999年ブリティッシュ・コロンビア州の交通局BC Transitから分離した)。公共交通システム・同組織の役割および同事業体が運営するスペシャル・トランスポートであるハンディ・ダート(handy DART)等の実態について把握した。
1-4 調査の方法
海外および国内の先進的な取り組みについて事例調査を行なうため、委員会を設置し、そこでの議論を踏まえて、調査対象の選定、調査の方針、報告書の整理方法等を検討した。
調査対象とする都市、およびそこでの取り組み状況を、事前に文献およびインターネットにより収集し、調査項目を検討した。事前に収集した情報に基づき、実地調査では、交通事業者、行政担当者、NPO等へのヒアリングを中心に情報を収集した。実地調査は1999年9月4日〜9月16日まで実施した。
国内の調査については、国内で取り組まれている先進的事例について、ヒアリングを中心とした現地調査を行った。