以上から、海上交通のバリアフリー整備にあたっては、航路ごとの様々な要因を勘案しつつ、各々の航路に最適と考えられる、安全、円滑かつ快適に利用することができる海上交通のあり方を検討することが望ましい。
技術的、経済的制約の中でバリアフリー実現のための最大限の努力をすること
旅客船ターミナル、乗降施設、船舶等の海上交通施設のバリアフリー化に際しては、新設の施設においてはバリアフリー施設の整備をする必要がある。
しかし、既存の施設においては、施設の構造上改造に際して技術的制約があるケースや経済的に新設以上の費用が必要になる等の問題点がある。また、新設の場合であっても、海上特有の要因や船舶の構造上の要因により、バリアフリー施設整備が技術的に困難なケースや航路の利用状況等から勘案して経済的に多額な投資を必要とするバリアフリー施設の整備が難しいケースも想定される。
こうした技術的、経済的な制約の中においても海上交通事業者、自治体、行政の理解、協力のもと、バリアフリー実現のために関係者が最大限の努力をすることが必要である。
以上の基本方向を踏まえ、本提言の対象となる人々、施設、行程、及び海上交通の主要な問題点に言及し、海上交通施設の個別施設に望まれる機能的仕様について記述する。
3. 対象とする人々とその移動特性
本提言において対象とする人々、及びその海上交通利用における移動特性について記述する。
4. 対象とする施設
本提言において対象とする海上交通施設の施設分類について記述する。
5. 行程の分類
4章で定義した施設分類に基づいて、海上交通施設の利用上で想定されうる行程を動線に沿って定義し、各行程における留意点について記述する。
6. 海上交通の主要な問題点
海上交通特有の問題点について、海象、気象上の問題点、海上交通施設構造上の問題点、その他に分けて記述し、ならびに行程別、障害別の海上交通利用上の移動制約について表に示す。
7. 海上交通施設の施設整備のあり方の提言
海上交通施設の個別施設に望まれる機能的仕様について記述する。