4-4-4-3-3. 岸壁
岸壁における問題点は以下の通りである。
1]岸壁上に転落防止柵の設置がされていないケースがある
2]誘導・警告ブロックの敷設がないケースがある
3]岸壁上の通路にひさしの設置がないケースがある
4]潮位の差によりタラップの斜度が大きいケースがある
5]タラップに段差があるケースが多い
6]タラップの通路幅が車いすでアクセス可能な必要最低限の有効幅を確保していないケースがある
7]タラップの手すり、安全柵が両側に設置されていないケースがある
○ 岸壁を利用して乗船するケースでは、動線が岸壁付近を通る形となり、高齢者や障害者等の岸壁から海面への転落事故を防止するために安全柵等の設置をすることが望ましいと考えられるが、こうした安全柵が設置されていないケースが多く、海面への転落の危険があるという問題点があった。
○ 岸壁上に誘導・警告ブロックの敷設がされていないケースが多く、視覚障害者の移動が困難であるという問題点があった。
○ 岸壁上にひさしが設置されていないケースがあり、車いす使用者がぬれてしまうという問題点があった。
○ 岸壁を使用するケースは、浮き桟橋を使用するケースに比較して潮位の差が小さい港湾でみられるが、タラップは全長が5000mm程度と短いため、わずかな潮位の差でも傾斜が大きくなり、車いす使用者等が自力でアクセスできないという問題点があった。
○ 岸壁からタラップを使用して乗船する場合は、特に船舶のゆれに対応するため、タラップの岸壁への接地部分に可動部分を設けている。可動部分は通常キャスターが使用されており、50mmから100mm程度の段差が発生する。この段差を解消していないケースが多く、車いす使用者がアクセスすることが困難であるという問題点があった。
○ また、浮き桟橋の場合と同様にタラップの有効幅が車いすで通過できる必要最低限の幅である800mmを確保していないケースがあり、車いす使用者がアクセスできないといった問題点があった。
○ タラップの手すりや安全柵が片側にしか設置されていないケースがあり、車いす以外の肢体不自由者や視覚障害者、高齢者が海面に転落する危険があるという問題点があった。