日本財団 図書館


6. 研究成果と今後の課題

 

本研究は、2年間をかけて既設駅にホームドアを設置することを目的に、各種ホームドアの調査結果と安価な建設費(ホームドア本体とその工事費)への考慮から、腰丈タイプのホームドアの研究開発を実施した。

第1ステップ(平成10年度)は、この腰丈タイプのホームドアについて、ホームドアの機能を満足させるために、ホームドア自体のハード面の主要要素に関して研究開発を実施した。

第2ステップ(平成10、11年度)では、腰丈タイプのホームドアを設置する時の基本的な機能、設置条件および安全確保等の検討を実施した。

第3ステップ(平成11年度)では、第1ステップで研究開発した結果をとりまとめた2種のホームドア(2450N/m(250kgf/m)対応と980N/m(100kgf/m)対応)を、模擬的に工場内に設置して、各種試験を実施した。

以下、平成11年度に実施した第2ステップ、および第3ステップの研究開発から得られた主な研究成果および今後の課題について述べる。

 

6.1 研究成果

(1) 腰丈タイプ・ホームドアの条件と仕様の設定

ホームドアを設置する鉄道事業者からは、ホームドア本体、および既設駅ホームの上にホームドアを設置する費用が少しでも安価になることが望まれている。

今回の研究開発では、この安価を十分に考慮した設置条件等を検討する必要があった。

このため、水平荷重980N/m(100kgf/m)のホームドアを試作し、昨年度の試作機である水平荷重2450N/m(250kgf/m)のホームドアと比較検討を行った。検討結果を考慮した腰丈タイプ・ホームドアの条件および仕様を表6.1.1-1に示す。これは、今後国内における腰丈タイプ・ホームドアを設置する場合の参考指標とすることができるものと考える。

 

表6.1.1-1 腰丈タイプ・ホームドアの条件と仕様(参考指標例)

059-1.gif

*=ドア開口幅(A)+停止許容幅(B)-かぶり許容幅(C)

A=1300、B=700、C=0の場合で2000mmとなる

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION