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三入東(みいりひがし)児童館

 

〒731-0211 広島市安佐北区三入東1丁目10-5  TEL.082-818-6741

 

設置主体:公設公営(広島市)

運営主体:公設公営(広島市)

人口:160,000人(安佐北区)

設立年月日:平成4年5月1日

職員数:4名

開館時間:午後12時00分(平日)、日曜日と第2土曜日は午前10時00分、第4土曜日は午前9時00分

閉館時間:午後6時00分(平日)、日曜日と第2土曜日は午後4時00分、第4土曜日は午後5時00分

休館日:第1第3日曜日、祝日その他

地域環境:学園都市で高等学校・中・小字校・養護学校等がある。

 

ボランティアコーディネーターの育成事業

 

まゆから糸、そして人形

 

活動の概要

広島市の最北にある三入東児童館は、敷地の広い事が特徴である。これを生かして、自然に触れながら育てる喜びや収穫の尊さを体験させたいと思いついた。そこでさっそくスイカや大豆・スナック豌豆・さつま芋等々身近な物の栽培から手がけた。子ども達の喜びは想像以上に大きく、生活態度に意欲が涌いてきた。

そんな時、当地域に昭和初期まで安佐北区(旧安佐郡)可部地区で広く飼育されていた山まゆを呼び戻し、町起こしを図る山まゆ同好会があると聞き、さっそく児童館も所属することにした。子ども達に、体験させることで、文化継承の一つになると判断したからである。

そのメンバーの中に73歳になられる丸本さんがおられた。この方は退職するまで農家で蚕の飼育指導に従事されておられ、さっそく児童の指導をおねがいした。丸本さんは向原からすぐに児童館へ、蚕、58匹(五令幼虫、11日目)をバイクで連れて来て下さった。その時の子ども達の表情は「気もち悪い」「かわいい」の二通りに分かれていた。さっそく自分達で近くの公園まで桑の葉を取りに行ったり世話をしはじめた。

そのうちに可愛くなり、みんなで蚕に関心をもち、蚕の絵を書いたり、じっと観察したりしだした。そして蚕の葉を食べている音に気がつき、「先生、雨が降っているような音がするよ」と感動している。

時期的によかったのか、あっという間にマユを作った。山まゆ同好会の方々に指導を受けながら、紡いで糸にした。二回目は10月1日に群馬県から蚕の卵を取寄せ育てた。晩秋蚕だったので、温度調節や桑の葉捜しに苦労した。しかし、山まゆ同好会の方々が早朝、露のかかった桑の葉を届けて下さったり、常に蚕の状態を見にきてくださったりして助けて下さった。私たちのために何度も足を運んで下さったことか知れない。児童と共に心の優しさをつくづく体感し感謝することができた。

まゆは温度面で低温だったため、12月にやっと出来た。小粒だが195個のまゆとシルクのうちわ4枚が出来た。12月29日〜1月4日まで休館、1月5日に来館すると32個のまゆから羽化して成虫(蛾)になり、交尾し、産卵をしていた。残りのまゆから糸を取った。また、その糸でタペストリーを織ったり、さらにそのまゆでコケシやネズミ、ひな人形等を作って飾った。

 

 

 

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