表面上はあまり出ませんが、個別の相談や子育て講座の中で、家庭、特に夫婦の問題が話題になることが多くあります。結婚当初の二者関係から子どもが産まれて三者関係となり、その変化に感情面でついていけないのを感じているお母さんたちは多いようです。男女平等の意識が崩れていく不安、不満は自分への苛立ちとなり、深くは母親であることのアイデンティティ確立を妨げているように感じます。子育ての問題は、女性が娘から妻、そして母へと移行する際に生じる問題と重なる面があるようです。
中学校でスクールカウンセラーをしておりますと、思春期危機を乗り越えてアイデンティティを獲得していくには、同性同世代仲間との情緒を伴った交流が重要であるのを実感します。それと同じように、子どものいる女性が母親としてのアイデンティティを獲得するには、母同士の情緒を伴った交流が必要なのではないでしょうか。
今後さらにより充実した意味ある子育て支援を自分に問い続け、保育園と思いを共有しながら、それぞれの母子とかかわっていきたいと思います。そして保育園が行政に働きかけるのを応援したいと思います。