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家ではよく注意しているのだが、もし保育所(園)にいるときでも、先生がお気づきの際に、注意して下されば、非常にありがたく思う。

 

2. 食習慣

1) バランスの取れた給食

家では、ほとんど中華料理を食べているが、保育所(園)では、和、洋、中華風と多彩。バランスの取れた給食は非常にありがたい。給食はうちの子に足りるのかと心配したことがあるが、先生のお心配りで、おかわりもしているようで安心した。

2) 食事時のマナー

保育所(園)では、食事時のマナーを非常に丁寧に教えているように思う。家でも、食事の前に、「お手手を合わせましょう、はい、ご挨拶、いただきまーす」を言ってから食べ始めている。

3) お弁当

中国ではお弁当を作る習慣がないため、私自身、日本に来るまで、お弁当を食べたこともなければ、作ったこともなかった。保育所(園)にはお弁当の日があることを知って、本当に困ってしまった。そこで、園長先生から、「外国人のためのお弁当」という本をプレゼントして下さった。それ以来、弁当日のたびに、子供の好きなものを、本を見ながら作ってみることにしている。まだ品数が限られてはいるが、非常に強い味方がついているため、今となっては、子供の食べたがる弁当は何頁にあるかは、大体覚えている。余裕があれぱ、もっといろいろな弁当に挑戦したい。

 

3. 連絡帳

保育所(園)には連絡帳があり、毎日親と先生が家と保育所(園)での子供の様子を記載している。最初は、日ごろ忙しいため、毎日記載する余裕があるのか、また子供の成長は毎日見ているし、本当に毎日の記載が必要なのかと疑ったこともある。ところが、書いていくうちに、「もっと書きたいのに…」と、記載欄のスペースがだんだん少なく感じるようになってきたのである。先生はどんな小さなことでも、子供の成長ぶりをこまめに記載している。また、いろいろな遊びや行事、マナーなども、連絡帳を通じて、日本文化の一角を伺うことができる。特に、子供が遊んでいたとき、ちょっとかすり傷をした、というように記載されているのが印象深く、この一言だけでも、親にとっては非常に安心感が得られる。

今でも暇さえあれば、めくるほどである。連絡帳は健康管理にも役立っている。子供の成長ぶりが非常にこまめに記載されており、子供にとっても親にとっても一生の財産と言える。

しかし、保育所(園)によって、又は先生によって、連絡帳は鉛筆で書かれたものもあるが、やはり一生の記念にしたいので、できればボールペンかペンで書いていただければと思う。

外国人保護者という立場からすれば、または、国際化という観点からみれば、保育所(園)は、子供にとっては、幼いころから異文化にふれる絶好の場であると同時に、保護者や保育者にとっては、異文化にふれながら、お互いの文化を理解し合える場でもある。保育者は、外国人の子供に日本の文化を教えるのに対して、外国人保護者もまた、日本の文化に対する理解を求められているのである。国籍を問わず、小さいころから国際感覚を身につけることが非常に大事であるため、保育所(園)は、幼い子供たちの「けりかご」として、国際化の波に乗って、又はその先頭に立って、ますます重要な役割を果たすことになるのである。

 

 

 

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