(中島和子「バイリンガル教育の方法」アルク 1998 より)
*母語の基盤が確立していない言語形成期前期の子どもたちは、新しい言語の吸収も早いが、身につけた言語の喪失も早い
→母語(第1言語)の問題
人間的発達の基盤となる、豊かな言語能力を育てるために
・アイデンティティ形成のためのことば
子どもは社会的価値観に敏感であるため、社会的に非主流言語である母語が犠牲になる可能性が大きく、親子のコミュニケーションに支障をきたすこともある
・認知・思考力を支えることば
読み聞かせ、言い換え(パラフレーズ)による言語世界の拡大、抽象的思考の基
・自己表現の手段としてのことば
突然、異なる言語環境におかれることによって、自分の気持ちを表現する手段が失われ、不安、混乱が生じる
4. 「国際化」とは?
<異文化と自文化に深い関心を持ち、尊重する態度>
・幼児期から多言語多文化環境に触れることから学べることは大きい。「外国人の子ども」に特化した問題ではなく、共に学び育つ日本の子どもたちにとっても貴重な経験となりうる。
・子どもは親をはじめとする周囲の大人を窓口として世界を見る。大人たちの偏見や差別意識は、次世代に引き継がれる。