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第4分科会

体調のよくない子どもの保育

司会者 大東眞理子(東大阪市・弥刀さつき保育園長)

提案者 長束須磨子(高槻市立富田第二保育所看護婦)

助言者 鈴木周平(大阪医科大学小児科講師)

 

提案要旨

体調のよくない子どもの保育

長束須磨子(高槻市立富田第二保育所看護婦)

 

保育所の保育対象となる児童は、保護者の就労等によって、児童を家庭で保育することが出来ない場合に、保育所での集団保育が可能な子どもが対象になっています。しかし現実は、健康な子どもばかりではありません。保育所は集団生活なので感染症などが発生するとたちまち流行したり、また現在の社会現象である夜型の生活リズムや、朝食抜きなど、保護者中心の生活を子どもはそのままかかえて保育所にやってきます。

保育所の保健職は、障害児をふくむ保育所入所児の日々の健康管理、乳児クラスヘのかかわり、感染症の早期発見、予防に心がけ、個々の子どもの体質、性格、家庭環境を理解するとともに子どもの顔色、機嫌、前日の様子などを把握し体調のよくない子どもを早く見つけ、保育士や調理師と話し合いその子にあった生活ができるよう協力しあっています。そのなかでも乳児は、感染症にかかりやすくまた体調も急変しやすいので顔色、機嫌、食欲、排便など引き続き観察をして早目に体調の変化に気づき、それにあった対処を心がけています。

たとえば、下痢の場合は、他児へうつさないため保育士の手洗い、便の処置等に十分な注意を払うことを確認しあうと共に、水分の補給、熱の有無など気をつけながら安静保育に心がけています。幼児では、自分の身体の状態を表現できるので、朝元気がなかったり、顔色が悪い場合欠食や睡眠不足など原因に合わせた対処をし、感染症でなくても、微熱等体調不良で登所している子どもには、保育内容を保育士と相談して子どもにあわせられるよう心がけ、状態によっては、保健室で保育する場合もあります。

子どもの体調を知るためには、子どもや保護者とのかかわりと職員との連携を大切にしていますが、核家族化や都市化の進行、地域での子育て機能の低下など、子育てをとりまく環境が大きく変化している現実をみすえながら、いままでの保護者対応をどう変化させていくか?そして今いる児童を心身ともに豊かに育てていくために保健職の役割とは何かなど一緒に考えていただけたらと思います。

 

 

 

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