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提案要旨

期待される乳児保育

池田千賀子(東京都・昭島ゆりかご第二保育園栄養士)

 

食べるという行動は、人間が生きていく上で欠かすことのできないものです。

生涯を通して何万回と食事をする中、保育所での食事はほんの僅かでしかすぎません。乳児期に一生の食習慣、食嗜好が決まってしまうと言われています。

子どもは1回の食事で食べ方を覚えるのではないので、保育所と家庭とが歩調をそろえながら進めていき、毎日毎食貴重な食習慣を一つひとつ積み上げていきます。

少子化、夫婦共働き、家庭や地域の子育て機能の低下、家庭や地域を取り巻く環境も変化してきています。そのために、保育所給食に対しても乳児保育、早朝保育、延長保育、夜間保育などの要望が多く保育ニーズも多様化してきているのが現状です。

このような背景から、乳児保育は一般化して保育時間は長くなり、離乳食段階からの入所が増え、家庭における食事の相談役や離乳食づくり等の個別対応が求められ、調理における安全性、衛生管理の徹底等の専門性が問われます。

保育所職員はきめ細やかな配慮が必要とされます。

最近、保育の現場からは偏食、小食、上手に咀嚼、嚥下できない子どもや、果物、野菜の旬の味を知らず食べ方を知らない等の食生活上の問題を抱えている子どもが多く見られています。

母親の育児不安の多くは、離乳食の進め方についてが一番多く、つづいて調理方法や量についての質問が多いと思われます。育児書と比較し、その通りにならない不安感や悩みを抱えています。それとは逆に、食に対して全く興味がないといった保護者も増えているのが現状です。

乳児に関する知識や技術が乏しい保護者を啓発し、子育ての喜びが感じられるようになるためにも、乳児期の個々に応じた保育所給食はますます重要になると思われます。

★乳児期の個別対応保育給食

・離乳食づくりにおける注意点

・重症でない下痢、発熱時等の病気時の対応

・月齢、身体発育状況に沿ったきめ細かい調乳、離乳食

 

 

 

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