開会式
主催者挨拶
日本保育協会
日本保育園保健協議会
講演I
座長 遠藤幸子
(全国保育園保健婦看護婦連絡会長)
演題 新しい保育所保育指針と保育所の保健活動
講師 高野陽(日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部長)
はじめに
このたび、保育所保育指針が改訂された。この改訂は、前回の改訂後約10年の年月が経っている。これを早いとみるか、遅いとみるかは、それぞれの立場で違うかもしれない。しかし、今日は諸事変動の大きい時代であることを考えれば、妥当なものとみなすことができる。前回も今回も改訂の作業に参加したものとして、新しい保育所保育指針の内容の解説とそれに基づく今後の保育所における保健活動の方向性を考察したい。
改訂の経緯
1997年児童福祉法の一部改正が行われ、保育所の保育機能についても多くの新しい方向性が求められるようになってきた。例えば、乳児保育の一般化、相談事業の実施等は、その代表的なものである。さらに、児童の権利条約には児童の最善の利益が重要視されるようになってきた。また、多角的な子育て支援の必要性など、今日の育児環境においては多くの問題点が現れてきた。このような背景のもと、保育サービスの変革の必要性は時代の要請といっても過言ではない。一方、文部省における幼稚園教育要領の改訂も行われ、同じ年代の幼児を保育する立場上、その整合性を図ることが必要でもあった。
保育所保育指針の主な改訂点
今回の保育所保育指針の主な改訂点は、保育所の本来業務の保育の内容の見直しはいうまでもない。さらに、保育所に位置付けられた今日的役割の視点からも保育の方向性を示している。