2]内航海運
1)RORO船航路
・晴海汽船のRORO船航路(東京〜沖縄航路)は、同社の業績不振等に伴い(1998年5月に和議申請)、宮崎港への寄港回数が少なくなっている。
・従来の実績では、上り貨物の主要品目は、果汁ジュース、医薬品、紙製品、農産物(青果物、米)、木材等である。なお、医薬品は東京港積み換えにより、北海道へ輸送されるものもある。
・往復の貨物量バランスについては、下りが上りの70%程度である。その要因として、下りの雑貨は福岡を経由し、トラックで宮崎へ入ってくることが多いことがあげられる。
2)在来船航路
・大阪〜宮崎(・鹿児島)間の在来船航路は3社が運航していたが、このうち1社は同航路から撤退している。このほか、不定期航路ながら宮崎港・細島港と関西方面等との間で在来船がほぼ定期的に運航されている。いずれも650〜700トン積み(199GT型)である。
・在来船航路による輸送ルートおよびその主要品目としては、以下のようなものがある。
航路A(下り)大阪→宮崎→鹿児島 : 鋼材、商品車(中古車・新車)
(上り)志布志→三重・鵜殿 : ウッドチップ
航路B(下り)大阪→宮崎 : 鋼材、雑貨
(上り)細島→徳島 : ウッドチップ
航路C(下り)水島→宮崎 : 商品車(新車)
(上り)細島→大阪 : 砂糖、製材
・上記航路Aは週1便運航されているが、宮崎港は貨物量が少ないため、実際には月1回程度しか寄港していない。宮崎抜港時は、宮崎県向け貨物は20トン積みトレーラーで鹿児島港から陸送される。宮崎港に寄港するかどうかの目安は100トンとされている。
・以上のように、関西〜南九州航路では上りはウッドチップがベースカーゴとなっている場合が多く、下りは鋼材、商品車が主要品目であるが、上りと比較して貨物量は少ない。
・また、自動車専用船がメーカーの要請に応じて不定期に寄港しているが、これは商品車輸送に特化し、帰り荷はない。
3)RORO船航路の新規導入について
・平成11年(1999年)12月より油津〜大阪〜東京間にRORO船航路が就航した。これは、日南市の製紙工場において再生紙工場が稼働したことを契機として、従来在来船で出荷していた紙製品の利用転換と古紙の新規需要に対応したものである。
・運航スケジュールは以下のとおりであるが、東京港や大阪港では日曜荷役が行えないため、油津港が日曜入港となっている。また、両港は祝日も日中しか荷役ができないため、そのような場合にはダイヤ調整が必要となる。