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調査対象4県の1997年時点の製造品出荷額等を業種別にみると、最も大きな割合を占めている業種は「電気機械器具製造業(23.8%)」である。以下、「食料品製造業(13.5%)」、「飲料・飼料・たばこ製造業(8.8%)」が次いでおり、これら上位3業種を合計すると50%近くを占めている。調査対象4県の製造業は、これら3業種に特化していることが分かる。全国と比較しても、これら3業種のウェイトが大きい点が特徴となっている。

県別にみると、宮崎県と鹿児島県では、「食料品製造業」および「飲料・飼料・たばこ製造業」のウェイトが大きい。この2県は、県内総生産に占める農林水産業のウェイトが高く、それをベースとした食料品および飲料・飼料・たばこの製造が盛んであることが分かる。宮崎県はまた、大規模工場の立地する「化学工業」のウェイトが大きい点も特徴である。

「電気機械器具製造業」は、宮崎県のウェイトがやや小さいものの各県とも構成比が大きい。これは、テクノポリス地域を中心として、「シリコンアイランド」と呼ばれるほど各県への半導体産業の立地が進んだためである。

大分県は、「電気機械器具製造業」に次いで、大手製鉄メーカーおよび石油化学コンビナートが立地することから、「鉄鋼業」、「化学工業」のウェイトが大きい。一方、「食料品製造業」および「飲料・飼料・たばこ製造業」のウェイトは小さく、基礎資材型および加工組立型業種を主体としている点で、他県と業種構造が大きく異なっている。

熊本県も、「食料品製造業」および「飲料・飼料・たばこ製造業」のウェイトは、調査対象4県をやや下回っているが、大手自動車メーカーが立地しており、「電気機械器具製造業」に次いで、「輸送用機械器具製造業」が、調査対象4県のうち唯一、全国と同程度の割合である。

 

図2-1-10 調査対象4県の業種別製造品出荷額等(1997年)

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資料)工業統計表(通商産業大臣官房調査統計部)より(株)三和総合研究所作成

 

 

 

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