こうしたことから、長崎港における定期航路の開設状況やその運航スケジュール、輸送コスト等を荷主企業に対して周知することが必要であり、特に、広範囲かつリアルタイムに情報発信を行うことができる手段として、ホームページの開設が有効である。
【想定実施主体:長崎県、長崎港活性化センター 等】
4]大都市圏や海外におけるポートセールスの展開
アンケート調査において、長崎港利用にあたってのネックとして、「輸出入取引相手の理解が得にくいこと」をあげた荷主は15.7%、「利用港湾の決定権が本社等にあること」は7.8%、「商社の理解が必要となること」は5.9%となっている。また、長崎港の利用が考えられない理由として、輸出入取引相手もしくは商社が利用港湾等の検討を行っていることをあげる荷主がそれぞれ1割強存在している。
そこで、こうした荷主に対して長崎港の利用を働きかけていくため、企業本社や大手商社が多く立地する東京、大阪等でのセミナー開催や、輸出入相手国側の荷主企業に対するミッション派遣などを行う。
【想定実施主体:長崎県、長崎港活性化センター 等】
5]周辺港湾と連携したポートセールスの展開
4]で述べた大都市圏や海外でのポートセールスは、その実施に多くの費用・労力を要する。このため、こうした広域的なポートセールス活動においては、長崎港に開設されている韓国航路の寄港地である熊本港、八代港などと連携して合同開催することにより、費用対効果の高いポートセールス活動を展開する。
【想定実施主体:長崎県、長崎港活性化センター、周辺港湾の港湾管理者 等】
(2) 長崎港のコスト削減のための施策
アンケート調査結果では、9割弱の荷主が「現状と比較して輸送コストが削減されること」を長崎港利用にあたって求められる条件とし、特に2割強の荷主は輸送コストの大幅な削減が必要としていることから、輸送コストが荷主の利用港湾選択時の最大の関心事であると考えられる。長崎港の利用を促進するためには、海上運賃、港湾関係コスト、陸上輸送コストのトータルコストにおいて他港より有利になることが必要である。
現在長崎港を利用していない荷主企業が「輸送コストの削減」を利用の条件としている要因としては、
1)長崎港を利用した場合のトータルコストを詳細に把握していない
2)長崎港を利用した場合のトータルコストが他港利用の場合よりも高く提示された
といった2つの形態が考えられる。