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出荷量でみると、加工品や養殖魚の餌となるさば・あじ・するめいかや養殖の盛んなぶり類などの量が多い。活魚として出荷されるものには、養殖の盛んなひらまさ・ぶり・まだい・ひらめなどがあるが、県内での販売が主である。加工品との関連の深い在庫量からみると、さば・あじ・いか類が多いことが特徴である。

水産業を取り巻く環境は厳しく、国際的な漁場の競合や漁業資源の減少などからいずれも減少傾向にある。全国有数の水揚げを誇る長崎漁港においては、新長崎漁港が移転・整備されたことに伴い、関連事業所の移転や道路の整備が行われ、流通・加工の拠点としての新たな展開が期待されている。

今後は、資源管理や栽培漁業により漁業資源を維持するなど、新しい海洋秩序に対応しつつ、長年培われた集積・ブランド力を活かし中国を中心とした水産品の輸入・加工や養殖における提携などに取り組むという展開が必要とされている。

 

3]観光

長崎県は歴史・文化を活かした観光資源を多く有しており、観光客数は、高速道路の開通、ジェットフォイルの就航等の交通アクセスの整備や1990年の長崎「旅」博覧会、1992年のハウステンボスのオープンにより着実に増加しているが、地域間の格差も生じている。従来の長崎県主要観光ルートであった長崎市〜雲仙・小浜が、噴火災害とハウステンボスにより大きく様変わりをしてきており、二大観光地である長崎市と巨大なハウステンボスの観光客をいかに周辺の観光地や離島へと回遊させていくかが重要な課題となっている。

ハウステンボスや長崎市(中華街等)を中心に、雑貨や工芸品などの土産品としての消費が期待されるが、雑貨や工芸品の原材料等については輸入によるものがみられることから、観光の発展は輸入貨物の増加に寄与するものと考えられる。

 

表2-4-1 主な観光施設

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(資料)西日本新聞社「九州データブック」より三和総合研究所作成

 

 

 

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