付表1 食物と栄養に関する基礎知識
すべての食物は、5種類の基本栄養素と水分(分量は食品によって異なる)を成分としている。
主なエネルギー源である炭水化物は、1グラムあたり4キロカロリーの熱量を発する。炭水化物は、主に植物性のでんぷん類と糖類で、穀類やいも類の主要成分である。
脂肪と油(油脂類)は最も凝縮されたエネルギー源であり、その重量あたりエネルギー量(1グラムあたり9キロカロリー)も炭水化物とタンパク質の2倍を超える。
タンパク質は、身体をつくる成分で、成長や細胞組織の回復に必要である。タンパク質は、動物性食品と、穀類やマメ科作物に含まれ、1グラムあたり4キロカロリーの熱量を発する。
ビタミン・ミネラルは、身体の適正な働きと、病気に対する抵抗力をつけるために少量が必要。新鮮な野菜・果物は、優れたビタミン供給源となる。水溶性ビタミンは、壊れやすく体内に蓄えておくことができない(ビタミンB、C)が、脂溶性ビタミンは体内に蓄えることができる(ビタミンA、D)。重要なミネラルとして、鉄分、ナトリウム、ヨウ素、亜鉛、マグネシウム、カリウムなどがある。各種のビタミン・ミネラルやこれらの組み合わせが含まれる量は、食品によって大きく異なる。
エネルギーとタンパク質の摂取
エネルギーの摂取が不十分だと、タンパク質が燃焼してエネルギーを供給する。つまり、タンパク質が、炭水化物や脂肪と同様に消費されることになる。エネルギー所要量の20パーセント以上は、油脂類から摂取すべきである。油脂類は、食事の風味を大いに高め、高エネルギー源となる(幼い子どもには重要)。エネルギー所要量は、正常な人たちの間でも個人差が大きい。また、身体的活動によっても増加する。栄養失調を治療する際、その目的が維持より回復にある場合は、ずっと多くのエネルギーとタンパク質の摂取が必要である。
食物と食事
食事を十分にとり個人のエネルギー所要量が満たされている場合は、ほとんどの場合、どの国のどの食事(食習慣)にも、健康に必要な適量の栄養素がすべて含まれている。成長期の健康な子どもであれば、総カロリーのわずか10パーセントをタンパク源から摂取すれば十分である。