あなたのグループは法的地位を持たないので、もし誰かが借金の返済を求めたら、あなたを団体として訴えることはできないので、1人もしくは複数の会員を相手に訴えなければなりません。通常、会員は単に会員という理由で責任を負うことはありません。基本的に、「負債を負う際、誰が責任を取るか」ということが問題となります。その答えは明白な場合もあれば、明白でない場合もあります。もし主催者がただ1人で負債を負うなら、その責任は彼自身のものとなります。もし委員会が、主催者に負債を負うようにするならば、委員会と主催者の双方に法的責任があります。極端な事例として、グループが存在するが故に負債が生じているならば、全会員が法的責任をとることになります。
ボランティアの役割
大方のグループに必要となる主な職務には、以下のようなものがあります。2つ以上の職務を1人が兼任しているグループが多いが、1人に負担がかかり過ぎないようにすることが大切です。グループを運営する上で、従来行われてきたように会員に役職名をつけることを、あなたのグループは好まないかもしれないが、それをするかどうかはあなたとグループが決めることです。
以下の仕事は、いずれも誰かが担当しなければならなりません、会員が12名のグループで委員会をもつなんてことは考えにくいものです。活動するのに適切と思われる組織をつくれば、あなたのグループが将来大きくなる可能性も高まります。継続させることが大切であり、効果的な組織づくりがなされていれば、新しいコーディネーターへの引き継ぎも円滑に運ぶのだ、ということを念頭に置いてください。
コーディネーター
コーディネーターの役割は、グループに対して最終的な責任をもつことです。コーディネーターは全会員のしていることを把握するとともに、先のことを考えておかねばなりません。もう一つの重要な役割は、リーダーシップを発揮することです。つまり、積極的にグループの他の会員の模範になることで、それには、雨降りの朝に外で何時間も孤独に過ごすようなことがあるかもしれません。しかし、最も大切な役割は調整役です。すなわち、仕事を割り振られたメンバーが、仕事を行えるように統率し、プロジェクトや会合が確実に行えるように準備することです。コーディネーターは、また、常に先を見据えていなければなりません。それは、今行っている作業の終了後に、次のプロジェクトが待ち受けていること以上に大切です。いつも、「1年後には、グループはどんなプロジェクトをすべきなのだろうか。どうやって、それに到達すればよいのだろうか。どんなトレーニングや装備が必要なのだろうか」と考えておくことが重要です。大事なことを言い残しましたが、コーディネーターはグループを離れることになっても、グループや委員会が引き続き円滑に運営されるようにしておかねばなりません。優秀なコーディネーターは、既に後任のトレーニングを行っているものです。
会計係
これはグループ内で最も重要な役目の一つです。会計がいつも正確に行われていなければ、金銭の貸し借りの問題が生じたり、ひどい時にはいくら資金があるのかも分からないのです。多くのグループは公益団体になるので(上記参照)、法的、財政的な義務はますます重要になってきます。基本的な仕事は帳簿つけですが(「資金及び資金集め」の章を参照)、作業の依頼者や資金調達係と協力してやらねばなりません。会計係はグループと密接に関わり、グループの代表と常に連絡を取っておかねばならなりません。
資金調達係
この役職は会計係と混同されがちだが、両者の仕事は全く異なっています。優秀な資金調達係は自分で決断が下すことができ、様々な人や組織に資金の提供を頼むのを喜んでできる人でなければなりません。この業務の遂行には経験よりも情熱が重要で、それさえあればたくさんの本やトレーニングが用意されています。
書記
グループとして活動するためには、ボランティアの名前や連絡先を把握しておかねばなりません。比較的決まり切った仕事ですが、メンバーのリストを常に更新する必要があるため極めて重要です。会計係と同様に、几帳面な性格で、記録の整理が好きな人が理想的です。会合の議事の記録も書記の仕事です。