車は大事に乗れば10年以上は走ってくれる。『電動車椅子ごと乗り込み、ジョイスティックコントロールでも運転できるミニバン』の改造費用に500万円かかるとしても、10年乗ったとして、年間わずか50万円である。この車を手に入れることで、社会参加の可能性は飛躍的に大きくなる。就労や自営のチャンスに恵まれた人達は当然納税者になる。年間400万円の掛け捨てを続けるのか、税収の増加を期待して50万円投資する道を選択するのか。
公的補助制度の創設に向けても、JoyProjectは『お願いする』のではなく、公的資金の公正かつ効率の良い使い方について提言したい。チャンスの拡大につながる道具に公的資金を投入することこそが、保護するよりも遙かに効率の良い税の使い方であることを、様々な角度から証明しつつ、国や世論にアプローチを続けたいと考えている。
具体的制度や法律が施行されてこそ『やさしい』『共生』社会が実現し、社会参加を果たす重度障害者が増加することで『対等な関係』が実現すると考えている。
「ジョイスティック・コントロール・カー」が欧米で実用化されているのは、ある日、行政などが「ジョイスティック・コントロール・カーでもそろそろ走らせましょうか」と誰かが走らせたのではない。必要とする当事者が走らせ、実用化させたのである。そのことを胸に刻みJoyProjectの次の活動に多くの協力者を改めて募りたい。ジョイスティック・コントロール・カーの実用化には、公的な補助が必要だとJoyProjectでは考えている。
市民団体としてのJoyProjectの活動や発言に重みを持たせるには、1人でも多くの協力者が必要だ。このアンケートを通して、潜在的協力者の数の多さは実感できた。
実践集団であるJoyProjectの真価と潜在的協力者の行動力が問われるのは、これからである。アンケートは第2幕の序章である。