(3) 今後、新たにユニバーサルサービスになると考えられるマルチメディア時代の高度サービスについて、その政策的な普及促進の在り方を考えるに当たって、ユニバーサルサービスには、
1) 初期:提供地域が限定された立ち上がりの時期
2) 発展期:提供地域が拡大し、利用者も増加し全国的に普及していく時期
3) 成熟期:提供地域の拡大がほぼ完了した時期
の3段階の発展段階があることに留意する必要がある。それぞれの段階において、ユニバーサルサービスの範囲の拡大やその確保のための国や地方自治体の役割が異なる。
なお、ユニバーサルサービスの範囲として、前述の普及率基準を採るとすれば、2)発展期の後期の段階になったとき、ユニバーサルサービスの範囲に含まれるということになろう。
1) 初期
初期においては、一般に需要密度の高い都市部から高度サービスが整備されるとこの段階では、ネットワークがいわゆるクリティカル・マス(臨界加入者集合:事業化可能となるための必要最小の加入者数規模)に達することが重要であり、需要の顕在化と情報通信基盤の整備促進が必要である。
よって、国や地方公共団体においては、先進的情報通信アプリケーション開発や公共的分野への先導的な導入、多額の設備投資を要する情報通信基盤整備への財政措置などを行うことが必要である。
2) 発展期
発展期においては、需要密度が低い地域への提供がなされないか遅れることが想定される。
よって、国や地方公共団体においては、地域的な情報格差を是正する観点から、必要に応じて、情報通信基盤整備への財政措置などを行うことが必要である。
3) 成熟期
成熟期においては、全国的なネットワークの整備が完了した段階であるが、一部の高コスト地域への提供が確保されないことや競争の進展等により高コスト地域への提供の確保が困難となること、身体障害等により利用が困難な者が生じることが想定される。
よって、この段階においては、ユニバーサルサービス確保のための競争中立的な新たな枠組みを整備することやハンディキャップを有する個人を対象とする支援措置について検討することが必要である。
(4) 以上のように、ユニバーサルサービスの範囲の拡大には、特にその初期、発展期においては、国や地方自治体が積極的にサービスの普及を促進させることが重要である。