(1) 住民基本台帳ネットワークシステムの現状
平成7年3月に、自治省行政局長の私的研究会「住民記録システムのネットワークの構築等に関する研究会」により示された中間報告において、今後の住民基本台帳制度の方向性について「住民基本台帳番号制度」の導入を行うべきであるということを中心とした提言が行われ、平成8年3月には、個人情報の保護、ネットワークシステムの利用分野、その他の諸課題について審議・検討が行われた結果として最終報告が示されている。
平成8年度には、制度全般についての検討を深めることを目的として、自治大臣主催の懇談会である「住民基本台帳ネットワークシステム懇談会」が開催され、平成9年6月には、この懇談会における意見の概要及び住民基本台帳法改正試案が公表され、平成10年3月に国会に提出されている。平成11年1月現在、本件に関しては、国会において継続審議中である。
(2) 住民基本台帳ネットワークシステムの期待効果
平成9年4月時点で、全国の市町村の93.8%で住民基本台帳の電算システムが導入されている。住民基本台帳ネットワークシステムにより、これらの電算化された住民基本台帳データを接続することにより、全国のどの都道府県市町村においても、「どこに住所を有する誰であるか」ということを確認することが可能となる。すなわち、住民基本台帳ネットワークシステムは、全国レベルで見た市区町村の住民基本台帳システムのリエンジニアリング(再構築)であり、その効果は、企業におけるリエンジニアリングの成功事例と同様に、単なる情報システムの再構築に留まらない。市町村の住民基本台帳に記録された全ての住民に対し、本人確認を行うことが可能となることにより、市町村間における転入・転出等の手続きのワンストップサービス化や、通勤先の市町村から居住地の市町村の行政サービスを受ける等、様々な行政サービスの高度化、効率化、行政手続きの簡素化等の効果が期待される。また、将来的には、本ネットワークを活用することにより、住民票の写し等の交付自体を省略することが可能と想定される。
ネットワークシステムの概念図を次図に示す。