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資-18 GPS(Global Positioning System)の概要

GPSとは、衛星を利用した汎地球測位システムのことをさし、米国防省が軍事目的で開発したものであるが、近年では民間利用が進み、カーナビをはじめ、すでに多くの分野で活用されている。1996年の大統領令では、GPSの無料利用の継続、国際的な開放と協調が求められるなど、今後も民間利用の拡大が期待されている。

 

GPSは最低3個の衛星からの電波を受信し、特定の地点の位置を決定する仕組みである。これを単独測位と呼び、水平15メートル、垂直30メートル程度の精度の測位が得られる。ただ、この方法では用途・目的によっては充分な制度とはいえないため、精度を高める測位方式が開発されている。それを相対測位(ディファレンシャルGPS)と呼び、同じ衛星で2地点を測位することで2地点間の距離の精度を確保しておき、このうちの1点を既知の基準点におけば、もう1つの測位点は測量に利用可能な点になるという原理を応用したものである。

この方式では、受信する信号を補正する基準局が必要であり、その補正方法は基準単独測位局と衛星が通信を行いながらリアルタイムに補正を行う方式と、後でデータの補正処理を行う方式とがある。また、測量の方式も移動しながら動的に測位を行うものと、定点にとどまって測位を行うものとがある。

わが国では、平成9年末現在でカーナビゲーションに約150万台が活用されており、また、国、都道府県、市町村の発注する公共測量ではGPSが正式の測量技術として採用されている。このほか、船舶のナビゲーション、漁礁の位置確認、火山・地殻活動調査、救急車やタクシーなどの位置確認、航空機のナビゲーションなどに応用されている。

 

GPSの測位形態

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