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資-9 数値地図2500(空間データ基盤)の解説

 

数値地図2500(空間データ基盤)について

 

1. 概要

数値地図2500(空間データ基盤)は、近年、各分野で利用が進んでいる地理情報システム(GIS)を構築する際の最も基本的なディジタル図形データです。GISで扱うデータは、図形的なデータ(いわゆる「地図」に相当します。)と統計的なデータの2つに大別できますが、最近はこれらを総称して「空間データ」と呼ぶことが多くなりました。この中でも、大量の空間データを相互に関係づけるために、正しい位置の情報を有した最も基本的かつ骨格的な項目から成るものを、特に「空間データ基盤」と呼んで区別しています。この数値地図2500(空間データ基盤)は、特に国土地理院が先導的に具体化した、空間データ基盤のひとつのプロトタイプです。

数値地図2500(空間データ基盤)は、基本的に2,500分の1地形図と同等の空間解像度を持っていますが、一部に1万分の1や2万5千分の1地形図を原資料とした地域もあります。

データの形態は、原則として位相構造化されたベクタデータです。したがって、道路のネットワーク解析や住所と位置座標との対応づけ(アドレスマッチング)等が可能です。各地域の中心的な都市域では、建物全般をラスタ画像で整備しています。また公共建物についてはその平面形をベクタ形式で取得しているところもあります。

これらのデータは、いくつかの市町村にまとめて、CD-ROMに格納されています。このCD-ROMにはデータのほかに、ファイルフォーマットの解説及びデータ確認のための簡単な表示ソフトウェア(マイクロソフト社のWindows95またはWindowsNT(ver.4.0)に対応)が付属しています。

 

2. データ項目(「首都圏」及び「近畿圏」の場合)

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1)上表の「属性」欄の情報はあらかじめ入力されていませんが、更にユーザー側で適宜必要な属性情報を付加することも可能です。

2)「中部圏」では項目4及び5は取得していません。

3)「東海圏」、「神奈川-1」の箱根町、真鶴町、湯河原町、「北海道-1」、「北海道-2」、「新潟」、「岡山」、「広島」、「福岡-1」、「熊本」「鹿児島」については、項目2、4及び5は取得していません。

4)「中部圏」及び「東海圏」、「北海道-1」、「北海道-2」、「新潟」、「岡山」、「広島」、「福岡-1」、「熊本」「鹿児島」については、項目8のうちの公共建物を全域で取得してあります。

5)「新潟」、「熊本」「鹿児島」については、項目8のうちラスタ画像は取得しておりません。

 

3. ファイル仕様

空間データ基盤は構造化されたデータの集合体です。このため、面(ポリゴン)の認識、道路のネットワーク解析等が可能となっています。データは1:2,500国土基本図の1図葉を単位としてそれぞれ格納されています。図式分類コードは平成6年国土基本図図式に定められたものを準用し、空間データ基盤項目別データ取得基準で詳細を規定しています。

各項目(道路線ネットワーク、行政区域、街区、建物等)を表現するために必要な要素(アーク、面等)ごとにファイルを作成し、ファイル、ディレクトリのツリー構造を活用して、ファイルを管理しています。ファイル内の各レコードは、区切り符号(<CR><LF>、16進数でODOA)によって区切られます。また、1レコード内の項目(フィールド)の区切りにはカンマ(〈,〉、16進数で2C)を用いています。レコード内の各フィールドの長さ及びレコード長は可変です。属性の記述において、日本語表記のための2バイトコードとしては、シフトJISコード(1983年制定のいわゆる新JlS)を用いています。

なお、首都圏・近畿圏のデータとそれ以外地区のデータは、ファイルフォーマットに若干の相違があります。詳しくは下の詳細情報をご覧下さい。

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