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図表5-5:ICカード用LSIの将来

 

5-1-3 非接触型ICカード

 

(1) 非接触型ICカードヘの移行

 

ICカードの普及には、広範囲で多種多様な利用拠点に、リーダライタ機器を導入しなければならないので、大規模な初期投資が必要である。磁気カードからICカードへ移行する場合は、磁気カードとの併用期間が必要であり、リーダライタの共用化が検討可能な接触型ICカードが選択されるであろう。しかし、導入に際して、移行の制約がない場合、あるいは、非接触型ICカードの特長を生かせる分野では、一気に非接触型ICカードの利用が進むと考えられる。

 

(2) 非接触型ICカードの利点

 

1] 安価なインフラ費用

1 非接触型ICカードのリーダ・ライタには、駆動装置が不要であり、また精緻さを要するカードの位置合わせ機能が不要等により、設計・製作が容易である。このため、堅牢で安価な端末機器を作成でき、保守費用の削減が期待できる。

 

2] 長い使用期間

非接触型ICカードは、科学的な損傷、湿度や摩耗などに強いので、接触型ICカードに比べ、長期に使用可能であり経費節減になる。

 

3] 高い気密性

CPUをカプセル化するため、非接触型ICカードのセキュリティシステムを迂回することができず、機密性が確保される。

 

4] ラベルの活用

非接触型ICカードの場合、カード表面をラベル用に活用できる。これは、複数企業あるいは複数アプリケーションの多目的カード作成に有用である。

 

5] 多様な適用業務

高速道路の料金所での利用環境では、恒常的に振動、塵や埃などがある。このような悪影響では、精級な位置合わせが必要な接触型ICカードでは運用が困難である。悪環境での運用に強い非接触型ICカードは、操作が容易なため、どのような環境下でも利用可能である。

 

 

 

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