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消防庁長官祝辞要旨

谷合 靖夫

 

本日は、このように多数の皆様のご出席のもとで、「第18回幼年消防全国大会」が盛大に開催されますことを、心からお祝い申し上げます。

また、ただ今表彰を受けられました幼年消防クラブを始めとした団体並びに指導者の皆様方に、本日の受賞をお喜び申し上げますとともに、この大会の開催にあたり、格別のご尽力を賜りました日本防火協会の皆様、そして地元の山梨県及び甲府市その他関係の方々に対しまして心から敬意を表します。

ところで、幼年消防クラブの皆さんは、火事が1年間にどのくらい起こるのかご存知でしょうか。平成9年の1年間で、約62,000件、1日平均では約170件の火事が全国で起こっています。そして、2,100人を超える方々が亡くなられております。こうした火事の原因には、たばこの火の始末をきちんとしなかったこととか、台所で火の使い方を間違ったこととか、或いは焚き火、さらに子供たちの火遊びも含まれています。

皆さんはいつも、指導者の方々から正しい火の使い方を教えて頂いていると思いますので、間違った火の使い方をするとは思いませんが、教えて頂いたことを友達にも伝えて頂きたいと思います。

さて、阪神・淡路大震災という戦後最大の被害をもたらした災害から3年半が経過しておりますが、この間にも大きな災害や事故が起こっており、今年に入りましても、8月、9月にかけての集中豪雨、或いは台風等により、全国各地に大きな被害が生じております。このような災害に対処するためには、消防防災機関の防災力の充実強化を図ることはもとよりでありますが、それぞれの地域において、住民の方々が「自分たちのまちは自分たちで守る」という普段からの心がけ、そして行動がなによりも大切であると思います。このことからも、次代を担うお子様方が幼年期のうちから、防火防災に関する指導を受けることは、誠に意義のあることであります。

ここにご出席の指導者の方々、保護者の方々におかれましては、日頃から幼年消防クラブの指導育成にご努力を頂いておりますが、こうした全国大会を契機に、今後とも一層幼年消防クラブの指導育成に御尽力を賜りますようお願い申し上げます。

終わりに、本大会に参加されました皆様方のますますの御健勝と、日本防火協会をはじめ関係機関のご発展、そしてお子様方の健やかな成長を心からお祈り申し上げまして、お祝いの言葉とさせて頂きます。

 

 

 

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