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5. その他

 

(1) 培地(Medium)

細菌をさまざまな目的のため、増殖させる“道具だて”が培地と言われる栄養分を含んだ液、又は半固体の組成物です。その目的と名称には、次のようなものがあります。

保存・輸送のための保存・輸送培地、増殖を主目的とした増菌培地、たくさんの細菌を個別、類別に分けるための分離培地、固定(Identification)を目的とした鑑別培地などがあります。

 

(2) 増殖曲線

細菌は、最適条件が満たされると“爆発的に”増殖し始めます。しかしこの増殖の過程では、最初、根をおろした細菌から順次、死んで行きます。そして最適条件が満たされている間は増殖を続け、空間的な制約、他の細菌の影響等から最適条件が崩れて行くにつれ、増殖するより死滅する割合が多くなって行きます。この過程を示したものが増殖曲線です。

 

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図3-5 細菌の増殖曲線

 

(3) 染色(Staining)

細菌は小さくかつ半透明なので、顕微鏡で見ることはできるものの、細部までは充分に見られないことが多いものです。そこで適当な染色(Dye)を用いて染色するのが一般的です。また、染色にもいろいろな方法があって、細菌の種類、性質まで分別する方法もあります。これはやや専門的になるのでその方法は割愛しますが、グラム陽性菌(Gram-Positive Bacteria)等と言うのは、このような染色法で分類された細菌です。

 

 

 

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