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4. 生物学的環境修復手法とは

 

近年、油等によって土壌が汚染された地域が、いたるところで確認されるようになってきました。本来、そこに生息している微生物によって、汚染物質が分解・浄化されてしまうケースもあります。しかし、この分解能力を超える量の汚染物質が出される地域では、なかなかこの浄化が進みません。そこで、微生物を使い汚染を除去する研究が、1985年以降に米国などで進められ実用化されてきました。これが「生物学的環境修復手法」と呼ばれるものです。

この手法は、土壌や湖沼の底土などが本来持っている浄化する能力を人工的に強化し、微生物に汚染された物を「食べ(分解)させ」てより早く毒性の小さい、または、無毒の物にし、汚染される前の状況に修復する技術です。

 

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微生物が油を食べる(分解)。

微生物が油を消化してCO2とH2Oに変える。

微生物がCO2とH2Oを放出する。

微生物の働き

 

* ある特定の微生物は、人間に有害となる燃料や溶剤などの有機物質を養分及びエネルギー源として、食べ、消化し、二酸化炭素と水に分解します。

米国では、生物学的環境修復手法の許可および管理の法的手続きが定められています。そして、ガソリン貯蔵タンク、精油所、廃液処理施設、パイプラインなど、油等の漏出により汚染された土壌に対しての、汚染浄化の一つの手法として実際に使用されています。その一方で、生物学的環境修復手法は、自然界で絶えることなく行われている汚染物質の自然分解を促進する方法なので、その有効性を正当に評価しにくく、かつ、油質や地形などに左右されるため、この手法が、どのような条件で有効なのか、有効ならばどの程度有効なのか、といった解明がなされていない面があります。

 

 

 

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