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なお、本事件については、平良海上保安署長表彰、日本水難救済会会長表彰を受け、また、日本水難救済会の推薦により、日本顕彰会の平成10年度の社会貢献者表彰を受けることとなり、平成10年11月9日、東京全日空ホテルで挙行された表彰式典に救難所を代表して事故発生当時の所長であった坂田純一氏が代表して招かれ出席しました。同氏の帰ってからの報告では、表彰式は、常陸宮殿下、同妃殿下の御臨席のもと人命救助をはじめ社会福祉、地域社会、国際社会、青少年の育成等の分野で奉仕活動に携われた人々とともに表彰状と副賞をいただき、また、常陸宮殿下のおことばがあり、式典終了後、盛大な祝賀会が開かれたとのことで、救難所員一同名誉なことと大いに喜んだ次第です。

今後においても、海上保安署や他の救難所と連携し、随時訓練を行い水難の防止に努めたていきたいと思っております。

 

救難所活動報告 No.2

 

出動! 舞鶴DSCC救難所

舞鶴海上保安部警備救難課

救難係長 豊田 裕昭

 

京都府内に初めての救難所が設立しました。

各都道府県沿岸部に救難所が設立するなか、京都府は数少ない救難所のない空白地域の一つでありましたが、平成10年3月11日にダイビングショップを経営されている舞鶴ダイビングスポーツ代表取締役大西丈朗氏を所長として舞鶴DSCC救難所が設立され、総勢36名の体制でスタートしました。

救難所名にある「DSCC」はDIVING SAFETY COUNTERMEASURE CONSULTATIONの略です。

DSCCは京都府及び福井県沿岸並びにその沖合海域を利用するスキューバ・ダイビング関係者により、ダイビングマナーの向上並びに関係者の親睦を図り、安全で秩序ある海洋レクリェーションの普及と発展に寄与することを目的に平成元年3月8日に発足した「福井、京都地区スキューバ・ダイビング安全対策協議会(現会員106名)」のことです。

同協議会は海上保安庁と協力し、毎年、ダイビングスポットを巡回し、安全潜水の励行並びに不法行為の防止等につき呼びかけを行う他、海浜の清掃や海難救助活動も積極的に実施しています。

舞鶴DSCC救難所は同協議会の理事である大西氏をはじめ京都地区のDSCC会員により構成されています。設立当初は現在の不況下にあって新設資金及び運営資金にも恵まれることなく、また民間の任意団体であることから地元にもあまり理解が得られず、その活動についても危惧されたなかでのスタートでした。

今回、活動を始めてから一年を経過したことで、平成10年の活動状況等を含め、同救難所について簡単に紹介させていただきます。

 

 

 

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