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洋上救急出動事例

 

宮崎県漁業調査船(169トン)は、5月28日、1800頃、千葉県勝浦の南東約220海里において、乗組員(57歳)が入浴中に左半身が麻痺し、動けなくなり、洋上救急の要請がなされた。29日0350頃、羽田航空基地ヘリコプターに特殊救難隊員3名が、亀田総合病院のヘリポートにおいて医師1名が同乗のうえ、該船に向かい、0600頃、該船と会合、患者をヘリコプターに収容し、0655頃、亀田総合病院に到着し、脳梗塞の疑いで同病院に入院した。

鮪延縄漁船H丸(49トン)は、6月5日1030頃、硫黄島の南約495海里付近を航行中、後部甲板で網の手入れをしていた甲板員(54歳)が転倒、意識不明となり洋上救急の要請がなされた。1055羽田航空基地から所属航空機に日本医科大学付属病院の医師2名を硫黄島へ派遣、同島で海上自衛隊のUS-1に乗換え、1620該船と会合、着水の上患者を収容し、1825再び硫黄島にて、羽田航空基地所属航空機に乗換え2135羽田航空基地着、救急車で同病院に入院した。

中型いか釣り漁船S丸(138トン)は、6月26日、八戸の東約1,200海里付近で操業中、乗組員(62歳)の全身衰弱が著しく、生命に危険が及ぶとのことで洋上救急の要請がなされた。1700仙塩総合病院の医師・看護婦が巡視船ざおうに同乗し、現場へ急行、29日0515該船と会合、巡視船ざおう搭載ヘリコプターで患者を吊上げ機内に収容、塩釜に向かい、30日0840仙台航空基地にて救急車に引き継ぎ、患者は急性肺炎で入院し、5日間に及ぶ洋上救急を終了した。

貨物船K号(19,420トン船籍、バヌアツ共和国)は、10月1日1430頃、北海道の東約685海里付近を航行中、乗組員(40歳)が階段をスリップして股間を強打、陰のう部が3倍程度に腫れ排尿不能となり、洋上救急の要請がなされた。2日1645市立釧路総合病院の医師が巡視船つがるに乗船し該船に向かい、4日0600該船と会合、ヘリコプターで患者をバスケットにて吊上げ巡視船に収容、本邦手前約90海里付近からヘリコプターで釧路空港へ搬送、1930救急車に引継ぎ3日間にわたる洋上救急を終了した。

鮪延縄漁船Y丸(19トン)は、11月2日2310頃、潮岬の南約420海里付近で揚網中、漁具にかかった鮫に右膝を噛まれ重傷を負い、洋上救急の要請がなされた。第五管区海上保安本部では、海上自衛隊に航空機の派遣を要請し、3日0430頃、海上自衛隊岩国基地の飛行艇に錦病院の医師が同乗し出動、0700頃、該船付近に着水し救命ボートにて負傷者を機内に収容、0930岩国基地着、救急車により錦病院に搬送され洋上救急を完了した。

 

 

 

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