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6 内容等

・ 人間の身体技法のうちで芸術的表現は所作と呼ばれている。その中で舞踊において最も重用なものの一つに「足づかい」の所作がある。足はヒトの体重移動という基本的機能をにないつつ、舞踊作品の様式性と主題に深く結びついている。足づかいには、内股動作と外股動作がある。今回は異なる足づかいを生み出した環境と、足づかいの所作の対決、或いは共生について討論した。

・ まず、大野講師は西洋美術史の作品から足づかいを提示して、片足に体重をかけた動作が新しい表現を生み出したことを説明した。(両足→片足)

・ 次に太刀川講師はクラッシクバレエの5つの基本足づかいが、外股によって表現の可能性を、比べものにならないほど拡大したことを、バレリーナの演技を見せながら解説し、その技法の近代的展開も示した。

・ さらに日本の伝統舞踊の身体技法について、國枝講師は京都の井上流と武原はんについて、事例を見せながら解説。京都という環境と足づかいの内股技法を詳細に分析し、その法則を提示した。

・ 最後に近代演劇から、水戸芸術館演出家の長谷川講師が実演を交え、VTRによるけいこ風景を上映しながら、表現と足づかいの連関について講演した。上半身と下半身の技法についても解説した。

 

 

 

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