3. フランス海軍 水路測量局
(1) SHOMの機能
SHOMは、次のとおり両面性のある業務を実施している。
イ 公的業務
航海者の安全を確保するために、海洋調査を実施し航行の安全に直接影響を与える情報を収集するとともに、水路資料を作成・更新・配布する。
ロ 防衛業務
近代的な兵器システムの性能を発揮するためには、海軍の戦術単位が作戦活動を行う環境を記録する多数のパラメータについてより詳細な知識が必要である。
これらの必要性を満たすために、SHOMは海軍に対して海洋気象環境を記録し予測する機器類を提供すべく、他組織と協力し研究開発している。
(例)
種々のタイプの交戦(海中、海上、機雷又は水陸両面)
種々の水流センサー(アクティブ/パッシブ型レーダー、ソナー又は赤外線センサー)
に対し、効率的で適合可能なもの
(2) 組織
イ 国防省におけるSHOMの位置
・1720年創設。海洋における国家主権の機関として、海軍を発展させるための良質な水路資料を得ることを意識し、組織的な調査を実施。
・1971年、軍事海洋学の進歩に伴い、名称がそれまでの「Service Central Hydrographique」から現在のものに変わった。
・Naval Chief of Staff(海軍参謀長)の支配下にあるとともに、業務の財政及び運営管理については国防省の直接責任となっている。
また、1990年からは、軍事海洋学に関する研究及び開発業務についてはChief of Defence Procurement(防衛調達局長)に対して責任を負っている。