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(別添資料)

1997年12月17日の海洋汚染防止に関する首相の訓令(国家MARPOL文書)(仮訳)

 

I. 訓令の一般規定、目的及び適用範囲

II. 一般的な組織

III. 海上における鎮圧活動

IV. 陸上における鎮圧活動

V. 司法及び係争に関する規定

VI. 財政に関する規定

付属文書 MARPOL計画に関して各行政機関と組織に割当てられた業務の一覧

 

I. 訓令の一般規定、目的及び適用範囲

本訓令は、本国領土に適用され、油またはその他の物質の海洋への流出を引き起こす、あるいは引き起こす恐れのある海上、陸上または空での事故や損傷の結果生じる海洋汚染の防止に関するものである。

この脅威に対して講ずべき措置は下記の3種類である。

-このような汚染発生を防ぐための予防措置。

-事故が発生した場合に迅速に介入する手段を担当当局に与えることを目的とする鎮圧準備措置。

-事故の影響を抑えることを目的とする鎮圧措置。

本訓令は、特に鎮圧準備及び事故による海洋汚染鎮圧を対象としているが、本訓令の中で予防の一般原則について再度言及することも有益であるように思われた。

A) 予防及び鎮圧準備

事故による海洋汚染の予防・鎮圧準備活動は複数の省に係わる事項であり、したがって、複数の省に共通する段階の存在が必要になる。その責任は海洋問題事務局に帰するものであり、同事務局は首相管轄のもと、予防・鎮圧準備措置の策定と実施を担う様々な省の活動を指導、調整する。

a) 予防措置は主として、保安措置である。

海洋汚染を引き起す可能性のある事故の脅威をできるだけ小さくすることを目的とする海上、航空または陸上の交通安全。

危険物の貯蔵、輸送、取扱、調査及び採掘のための固定式あるいは可動式の海上、陸上もしくは航空の技術設備の安全。この保安措置は、海洋汚染を引き起こす可能性のある損傷または事故の脅威、及び損傷や事故が発生した場合の汚染の脅威をできるだけ小さくすることを目的とする。

b) 鎮圧準備措置は、訓練された人材及び適合した機材で構成される一連の手段を常に自由に使えることができるものでなければならない。これらの手段の利用条件については、特別救援計画に規定する。

つまり、鎮圧準備措置には下記が必要になる。

-係わりのあるすべての省や機関と連絡を保ち、汚染物質とその影響に関する調査と資料、並びに養成及び汚染物質に立ち向うために用いる特別な方法、手段について国家レベルで責任を有する常設機関の存在。そのために、事故による水域汚染に関する資料・調査・実験センター(CEDRE)を創設した。

-国家治安手段及びその他の適切な公共あるいは民間の手段の応援を得て、この準備活動を担う地域及び地方のすべての行政機関の協力。

-特別救援計画の策定。特別救援計画は、鎮圧活動の遂行を直接担う各当局のレベルで策定、改訂されるものとし、この活動に参加するすべての行政機関と組織及び関係住民の代表者の協力を得て練り上げ、各当局の責任区域で用いることができるすべての鎮圧手段のリストを盛り込み、これら手段を実施するための組織と手段について規定する。

 

 

 

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