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塩田さんは元船員でカーフェリー船長を最後に定年退職。海岸でゴミを拾ったり、釣り人にゴミ持ち帰りを呼び掛けるなど、現在は100%推進員活動に当たっている。

その活動ぶりが6月24日付神戸新聞のコラム「ミナト通信」に紹介された。それを見たラジオ関西ディレクターからAM放送「谷五郎のOH!ハッピーモーニング」の環境関係ボランティアに電話インタビューする「地球大好き」コーナーへの出演依頼があり、6月25日午前7時47分から約5分間出演、推進員活動を紹介、ゴミを滅らしてきれいな海を、と訴えた。

また、新聞を見た神戸市戸鷹取中学のPTA会長から、推進員に付いて生徒にボランティア活動を体験させたいとの依頼もあった。

 

【広島地区】  ─「モニターネットワーク」第29号から抜粋─

私自身のために!

福山地区海洋環境保全推進員  小谷 美栄

私が海洋環境保全推進員に申し込んだのは本当に軽い気持ちからでした。いつも、子どもと通っている公民館や保育所に海の環境ポスターを張れば、この私でも少しぐらいはお役に立てるのだ、という軽い気持ちでした。

4月19日に初めて福山海上保安署での『今後の予定及び自由討議』を聞きながら、≪どうしよう、無理だ。小さい子どもを二人を抱えて、できない。どうしよう、困った。≫と不安でいっぱいでした。家に帰っても、さあ、大変だ。もう、今からでも断った方が良いかしら。と、悩みながら、5月30日、子ども二人を連れてのネイチャーゲーム。同じ推進員の清水さんに、ずっと子どもを見てもらいながら私は、ネイチャーゲームをしました。

ボランティアはどちらなのか、まるで、私のほうがボランティアをしてもらっています。人の暖かさを感じながらのありがたい一日でした。

6月4日推進員連絡会議、この日『海洋環境保全推進員指名証』を頂いて、福山海洋環境署長さんより「推進員になって、ひとつでも海のゴミが減った。と、そういう軽い気持ちで無理をせずにお願いします。」と、言ってもらえて、ホッとひと安心、いっぺんに不安が吹っ飛びました。この私が、推進員になることで、ひとつ海のゴミが減ればいいんだ、と思うとすごく気が楽になりました。

6月7日初めての福山港フェリー乗場清掃活動。タバコのポイ捨ての多さ。拾っても、拾ってもキリがない。ひとつひとつ、手で拾うよりは、ほうきで掃くほうがましだと思いながらもだんだん自分が情けなくなってくる。自分の家も汚いのに、今、私は一体何をしているのだろう?イヤ、そんな悲観的な考え方はやめよう。どうせするのなら楽しくゴミを拾おう!同じ清掃活動をするのなら快い気持ちでしよう!と自分に言い聞かせて。

私は、なんて良いことをしているのだ!私はすばらしい!偉い!

こんな私をほめてあげたい、と心で唱えながら。ゴミをひとつひとつ拾っていましたが、ふと、小学生が『自分が捨てたゴミでもないのに他人が捨てたゴミを拾うのはイヤだ!』と言っていた気持ちがだんだんと理解できたと同時に、私は、今まで体を使って何か社会に還元しただろうか?

 

 

 

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