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また、(v)船内で報酬が支払われる場合は、やむを得ない事由のあるときを除き、船長が直接海員に手渡すべきこととなっている(第55条)。

3] 例外

(i) 一定期日払の原則の例外として、解雇等一定の場合には、支払期日前でも、職務に従事した日数に応じ、報酬を支払わなければならないこととなっている(第54条)。

(ii) 直接払の原則の例外として、船員から請求があったときは、その同居の親族又は当該船員の収入によって生活を維持する者に渡さなければならないこととなっている(第56条)。

 

(3) 傷病中の乗組員の報酬の扱い

船員は、自らに故意又は重過失があった場合を除いて、負傷、疾病のため職務に従事しない期間についても、雇入契約存続中は、給料、家族手当等の支払いを請求できることとなっている(第57条、則第41条)。

 

(4) 歩合制による報酬の扱い

船員の生活の安定をはかるため、歩合によって報酬が定められる場合、その歩合による毎月の額が雇入契約に定める一定額に達しないときであっても、その一定額を下回ってはならないこととなっている(第58条第1項)。

 

(5) 報酬支払簿の備置等

船舶所有者は、則第十六号の三書式による報酬支払簿を作成し、主たる船員の労務管理の事務を行う事務所に、最後の記載をした日から3年を経過する日まで備え置いて、船員に対する給料その他の報酬の支払に関する事項を記載しなければならないこととなっている(第58条の2、則第42条)。

 

2. 労働時間、休日及び定員

(1) 適用範囲

船員法上、労働時間、休日及び定員に関する規定は次に掲げる船舶及び乗組員には適用されないこととなっている。

1] 船舶(第71条)

(i) 帆船

(ii) 漁船

(iii) 海員が断続的作業に従事する船舶で船舶所有者が行政官庁の許可を受けたもの(*1)

ただし、主務大臣は、必要があると認めるときは、船員中央労働委員会の決議により、船員法の労働時間、休日及び定員に関する規定の適用を受けない船員の労働時間、休日及び定員に関し必要な命令を発することができ(第73条)、現在このような命令として「指定漁船に乗り組む海員の労働時間及び休日に関する省令」(昭和43年運輸省令第49号。以下「漁労則」という。)が定められている。

(*1) 船舶所有者は、(iii)の許可を受けるためには、所轄地方運輸局長に対し第十六号の六書式による申請書2通を提出しなければならない(則第48条)。

 

 

 

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