(6) 命令の定める船舶(*1)の船長は、船舶に危険がある場合、船舶が衝突した場合等非常の場合における海員の作業について、非常配置表を定め、これを船員室その他適当な場所に掲示して置かなければならず、また、命令の定める船舶(*2)の船長は、海員及び旅客について、防火操練、救命艇操練その他非常の場合のために必要な操練を実施しなければならないこととなっている(第14条の3)。
(*1) 命令の定める船舶とは、
1] 旅客船(平水区域を航行区域とするものにあっては、運輸大臣が指定する航路に就航するものに限る。)
2] 旅客船以外の遠洋区域又は近海区域を航行区域とする船舶
3] 特定高速船
4] 専ら沿海区域において従業する漁船以外の漁船
である(則第3条の3第三項)。
(*2) 命令の定める船舶とは、(*1)と同様である(則第3条の4第1項)。
(7) これらのほかに、船長は、航海の安全を確保するために、航海当直の実施、船舶の火災の予防、水密の保持等の義務を負うこととなっている(第14条の4)。
(8) 船長は、
1] 船舶国籍証書又は仮船舶国籍証書等
2] 海員名簿(*3)
3] 航海日誌(*4)
4] 旅客名簿
5] 積荷に関する書類
を船舶に備え置かなければならない(第18条)。
(*3) 書式は則第一号書式による。(書式略)
(*4) 書式は則第二号書式による。(書式略)
ただし、
イ. 海員名簿について
一括公認の許可(*5)に係る船舶の海員名簿は、所轄地方運輸局長(*6)が指定した場所に備え置かなければならない(則第10条)。
(*5) 一括公認については〔IV〕、2、(2)を参考
(*6) 所轄地方運輸局長とは、主たる船員の労務管理の事務を行う事務所の所在地の管轄する地方運輸局長(海運監理部長を含む以下同じ。)であるが、当該事務所が本邦外にあるときにあっては、関東運輸局長(ただし貸借関係があって船舶所有者が本邦内にあるときは、その所在地を管轄する地方運輸局長)である(則第10条第4項)。
ロ. 旅客名簿について
旅客船以外の船舶、平水区域を航行区域とする船舶は、旅客名簿を備え置くことを要しない。また、国内各港間のみを航海する旅客船についても、出港から次の入港までの時間が2時間以内のもの、運航管理事務を行う事務所との有効な通信設備が設置されている等一定の措置が講じられているものは旅客名簿を備え置くことを要しない(則第2条)。
ハ. 積荷に関する書類について
船積港又は陸揚港が外国にある物品運送を行う船舶以外の船舶は、積荷に関する書類(積荷目録)を備え置くことを要しない(則第13条)。