第9節 船級船の検査
主務大臣の認定した日本の船級協会(昭和9年3月1日(財)日本海事協会(通称NK)が認定された。)の検査を受け、船級の登録を受けた非旅客船は、船級を有している間は、法第2条第1項各号に掲げる事項及び満載喫水線について管海官庁の検査を受けこれに合格したものとみなされる(法第8条第1項)。
したがって、船舶安全法に基づく定期検査においては、これらの事項以外の事項について管海官庁の検査を受け、これに合格すれば船舶検査証書が交付されるとともに、その後の中間検査又は臨時検査においてもこれらの事項以外の事項についてのみ管海官庁の検査を受ければよいのである。
しかし、これらの措置は、船級船に対する特例であるので、当該船舶がその登録を取り消された場合又は旅客船に用途が変更された場合は、船舶検査証書の有効期間は満了することとなっているので、改めて管海官庁の定期検査を受け、船舶検査証書の交付を受けなければ、これを航行の用に供することはできない(法第10条第4項)。
第10節 外国船の検査
外国船舶に対する検査は、前述したとおり検査に関する規定が準用されていることにより日本船舶と同様に行われることとなるが、海上における人命の安全のための国際条約(以下「SOLAS条約」という。)及び満載喫水線に関する国際条約(以下「LLC条約」という。)の規定等により、次に掲げる場合にはその取扱いを異にすることとなる。
なお、この場合においても我が国において独自の立場から条約の規定に上乗せした規定を定めている場合には、当該事項については日本船舶と同様の規制を受けることとなる。
(1) SOLAS条約に加盟している国の船舶であって同条約(現在は、1974年のSOLAS条約及び条約に関する1978年の議定書)の規定に基づく有効な条約証書を受有するものについては、外観に著しい損傷等を生じており、明らかに条約の規定に適合していないと判断される場合を除き、当該条約証書を査閲するのみにとどめられる。
(2) LLC条約に加盟している国の船舶であって、同条約(現在は、1966年のLLC条約)の規定に基づく有効な条約証書を受有するものについては、外観上明らかに満載喫水線を超えて載貨している場合を除き、当該条約証書を査閲するのみにとどめられる。
(3) 運輸大臣が、船舶安全法に相当すると認めた外国の法令に基づき交付された証書を受有する船舶については、外観に著しい損傷を生じており、明らかに当該国の法令に適合していないと判断される場合を除き、当該証書が適法に交付されたものであることの確認のための当該証書の査閲にとどめられる。