交通部の規制緩和政策を受け、高雄港務局は港湾運送事業の民営化に着手した。高雄港務局は、高雄港埠頭労働者雇用制度合理化案を策定し、96年6月に行政院の許可を得た。制度改正の原則として次の点が定められた。
・ 4国際港湾で基準を合致させるが、高雄港が先行して合理化を行う。
・ 一挙に埠頭労働者問題を解決する。
・ 労働者の民営荷役作業会社への移行を進める。
・ 労働者への補償は実際の状況によって合理的に考慮する。
・ 関連部署、業界に利益がある制度改正を行う。
高雄港務局は、局内スタッフと関連部署のスタッフとで協議グループを設立し、交通部の指導者とともに、埠頭労働組合との交渉を1996年から開始した。10回の交渉を重ねるなか、労働組合は港務局の合理化案に抗議を示す場面もあったが、ストライキなど強硬な反対運動は起きなかった。