世界第1位を競い合う香港、シンガポール港の取扱量と比べると、高雄港は半分以下の水準である。その要因としては上位2港がハブ港として周辺国のトランシップ貨物を集めているのに対し、高雄港はなおも地場貨物が中心でトランシップ比率が44%と低いことがあげられる。高雄港の取扱量は、ロッテルダム、釜山と同水準である。
東アジアのハブ港として、高雄港は、地理的に近い釜山(世界第5位)、横浜(同6位)、東京(同12位)、神戸(同15位)と競合している。これらの港湾は、規模的に似通っており、背後の経済集積が大きく地場貨物が多いことから、お互いにトランシップ貨物を集めにくい状況にある。これに対し、香港、シンガポール両港は周辺の港湾整備が遅れていることにも助けられ突出した存在となっている。
(3) 基隆
天然の良港である基隆港は台北市に隣接し、台湾経済の発展に重要な役割を果たしてきた。しかし基隆港は急峻な地形にあり、開発可能な港湾背後地がごく限られていることが最大の制約要因である。
1997年のコンテナ取扱量は1,985,476TEUであるが、1990年代に入り200万TEU前後で頭打ち状態にある。