日本財団 図書館


3) コンテナ取扱実績

高雄港のコンテナ貨物取扱量は、1980年代に入って急増し、現在では世界第3位のコンテナ貨物取扱港湾となった。1997年の取扱量は5,693,340TEUであり、前年と比べ12.4%もの高い伸びを示した。他港と比べ高い伸び率を記録した要因は、アジアの通貨、金融危機の影響が比較的小さく輸出入ともに増加したこと、中国との直航が限定つきながら開始されトランシップ貨物が増加したことがあげられる。

 

図表II-4-3 高雄港コンテナ取扱量の推移

210-1.gif

資料:交通部運輸研究所『運輸資料分析』1998年6月

 

世界第1位を競い合う香港、シンガポール港の取扱量と比べると、高雄港は半分以下の水準である。その要因としては上位2港がハブ港として周辺国のトランシップ貨物を集めているのに対し、高雄港はなおも地場貨物が中心でトランシップ比率が44%と低いことがあげられる。高雄港の取扱量は、ロッテルダム、釜山と同水準である。

東アジアのハブ港として、高雄港は、地理的に近い釜山(世界第5位)、横浜(同6位)、東京(同12位)、神戸(同15位)と競合している。これらの港湾は、規模的に似通っており、背後の経済集積が大きく地場貨物が多いことから、お互いにトランシップ貨物を集めにくい状況にある。これに対し、香港、シンガポール両港は周辺の港湾整備が遅れていることにも助けられ突出した存在となっている。

 

(3) 基隆

天然の良港である基隆港は台北市に隣接し、台湾経済の発展に重要な役割を果たしてきた。しかし基隆港は急峻な地形にあり、開発可能な港湾背後地がごく限られていることが最大の制約要因である。

1997年のコンテナ取扱量は1,985,476TEUであるが、1990年代に入り200万TEU前後で頭打ち状態にある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION