5. 香港港の対応
(1) 民間コンテナ・ターミナル・オペレーターの対応
1) 民間コンテナ・ターミナル・オペレーターの多国籍港湾ターミナル・オペレーター化
1] 多国籍港湾ターミナル・オペレーターとは
ここでは多国籍港湾ターミナル・オペレーターとは、1つの港湾に特定せずに国境を越えた複数の港湾にまたがってコンテナ・ターミナルを持つとともに、それぞれのターミナルにおいてコンテナ貨物の取扱い業務を行うターミナル・オペレーターのことと定義しておく。
船社系のターミナル・オペレーターは以前から世界各国の主要港にコンテナ・ターミナルを自営してきた。例えば香港港における Sea-Land はその具体的な例である。これらの船社系ターミナル・オペレーターは自らの親会社である特定船社に対するサービスを専一的あるいは優先的に行ってきた。しかし近年見られる多国籍港湾ターミナル・オペレーターは船社系というよりはもともとターミナル運営を行ってきた企業が複数港湾にまたがってターミナルを保有・運営し、不特定多数の船社にサービスを提供するものである。