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2. スキューバダイビング

素もぐりをしていた人間は大てい何とか水中で息を補給できないかと思います。その願いを満たしたのが、スキューバまたはアクアラングという呼吸装置です。

これをつけることによって人間は水中で1時間も2時間も行動することができるようになりました。しかし、もともと人間は大体1気圧に近い空気圧の下で生きているものです。水の深さ10メートルは1気圧に相当しますから、10メートルの海中では2気圧、30メートルの海底では4気圧の圧力の作用を受けることになります。こういう圧力を受けると人間の生理はこれに対応するように変ります。もし深くもぐったり、浮いて来たりする事が深さの大変化にも拘らず速く行われると、その対応がうまく行きません。

例をあげて見ると、長い時間深い海中に居た者が少ない時間で浮上すると、丁度深海魚を空中に引きあげたように体内に溶けていたガスが急に気化して身体の一部がふくれたり、そのガスが血行を止めたりして、潜水病などの原因になります。

潜泳による病気の原因をしらべて見ると、1]呼吸器に関する事故と病気、2]潜降中の圧力の影響、3]浮上中の圧力の影響、4]圧力の間接的影響、5]水温の影響、6]気体の影響などであると言われています。

これ等の事をここで細かく言わなくてもいいかと思います。スキューバダイビングはずぶの素人が行うものでなく、相当な教育を受けてから行うもので、危険の存在については科学的組織的に教育を受けていると考えるからです。

ですから、あなたが初めてダイビングを行う場合、どんな人に誘われ、どんな指導を受けたかをよく考えて見る必要があります。決して2〜3回ダイブした事がある人を指導者にしてはいけません。

 

ダイビング中に起こり得る事故は、次のとおりです。

1] 身体的なもの

(ア) 潜水者自身の持っている身体的欠点をついて出るもの

(イ) 前に書いたように、深くもぐることによって引き起こされるもの

2] 機械的なもの

(ア) メカニックによるもの

総括して、呼吸を助ける機器全体について起こり得るメカニックな故障

(イ) 機器の取扱いのミスによるもの

(ウ) それ等が起こった時のあなたの態度

 

 

 

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