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3) 血球の活性酸素生成能

反応性が高く、殺菌力の強い活性酸素は、貪食にはじまる細胞性の生体防御機構の中で重要な役割を担っていると考えられる。活性酸素分子種は、4種類存在することが知られているが、今回の研究では、昨年度の研究で比較的高感度に環境の変化に反応すると考えられながら、生成量が少ないため変動を明確に知ることができなかったスーパーオキシドについて、昨年度も用いた分光学的な方法とともに、微弱な反応でも捉えることのできる化学発光法を用いて測定した。

 

【材料および方法】

1. スーパーオキシドの測定(分光学的方法):スーパーオキシドの分光学的な方法による定量は、SODの存在下で阻害されるシトクロムcの還元量を定量することで行った。血球懸濁液は、最終濃度500μMのDTPA(キレート剤)を含むoyster BSSを用いて調製した。この血球懸濁液に対し、160μMシトクロムcを含むカキ類血球用Hanks平衡塩類溶液(GIBCO社製のフェノールレッド不含Hanks平衡塩を用いて調製した溶液のNaCl濃度を0.44Mに改変したもの)を等量加えて、血球の最終密度が2.5x106cells/mlになるように反応液を調製した。これをプラスチック製のキュベットに移して2波長分光光度計に装着した。血球に対する刺激剤には、最終濃度で100ng/mlになるように調製した液性因子のホルボールミリステートアセテート(PMA)と貪食能の測定に用いたのと同様の酵母を用いた。反応は、これらの刺激剤を加えることで開始した。使用波長については、第1波長540nm、第2波長550nmとし、その吸光度の差を求めた。測定ごとにスーパーオキシドの特異的な消去酵素であるスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)を最終濃度で100U/mlになるように添加した対照区を設定して、その値を差し引き、スーパーオキシドによる正味の還元量を求めた。

スーパーオキシドの生成量は、吸光度の値をシトクロムcのミリモル吸光係数19.1mM-1cm1を用い、シトクロムcの還元量に換算して表した。測定は室温において行い、120分間継続した。

 

 

 

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