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(5) 漫潮干潟について

(財)国際マングローブ生態系協会 下地邦輝

 

1] はじめに

漫湖は国場川と饒波川の河口域に位置しており、豊見城村と那覇市の間にあります。漫湖には、いつもいろいろな鳥たちが見られ、とくに秋から冬にかけて多くの野鳥が飛来し市街地の中にあるのに野鳥の楽園になっています。

漫湖にはこれらの野鳥にとってえさになるゴカイやカニ、小魚が多く生息しており、また、隠れ家となるマングローブ林などがあるため、国設の特別鳥獣保護区に指定されております。

きょうは、この野鳥たちのえさとなっているゴカイなど、漫潮干潟の小動物がなにを食べているのか?の疑問を解くことからはじめ、メヒルギとヤエヤマヒルギを植えることによって、干潟とマングローブの役割について観察してみたいと思います。

 

2] 干潟のはたらき

ア、 干潟とは干潮のとき干上がり、満潮のとき冠水する(潮間帯の)砂泥地。

イ、 干潟の生物は、ながれこむ汚れ(有機物)をえさとしてとりこみ、水質を浄化する。

 

3] 漫湖のむかしのすがた

ア、 昔から流域の水田などから漫湖をへて那覇港に土砂が堆積し、河口閉息がおきた。

イ、 漫湖の岸沿いにはメヒルギとヤエヤマヒルギがあった。

 

4] 漫湖の今のすがた

ア、 豚舎排水や私たちの生活排水の汚れ(有機物)が漫湖干潟のおもな栄養源(えさ)

イ、 漫湖へ汚れ(有機物)が1日に国場川2.8トン、饒波川1.4トンの合計4.2トンがながれこむ(図4-7)。

 

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