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みんなが向後さんに会いたいという気持ちで講演会の日を楽しみに待ったのである。そして、講演会の日、向後さんはベネズエラからやって来た。「子どもたちに見せたい!」と大きなリュックサックの中身はすべてスライドだった。今までに、世界各国で撮り続けたスライドである。

スライドの映写は国際マングローブ協会(ISME)の下地邦輝さんと鶴田幸一さんが担当してくれた。講演の中で向後さんが、沖縄のマングローブにも深く関わってきたことが初めて分かった。

そして、沖縄や世界のマングローブの重要性、生活との関わりなど、マングローブについて本当に何も知らなかったということを、改めて認識したのである。地元のマングローブについて、もっと知らなければいけないという気持ちになった。理科の授業で学んだ「食物連鎖」の図式がしっかりとマングローブの木の周りで営まれていたのである。講演を聞きながら、自然のすばらしさに感激し、感謝の気持ちで一杯になった。私たちはそのとき、人間が今、何をすべきかを教えてもらった。

講演が終わり帰るときには、国際マングローブ協会の方々からみんなに、1本ずつマングローブの苗のプレゼントがあった。苗を大切に抱えて帰る姿をみたとき、向後さんを迎えて良かったとしみじみ感じたのである。

いろいろご協力下さった方々や、講演会に来て下さった180名の方々に感謝の言葉は言い尽くせないが、この講演会をきっかけに、子どもたちと一緒にマングローブと関わることになったのである。

その後しばらくして、OGMC(沖縄グリーンマングローブクラブ)が設立され、現在、活動は続けられている。私たちの心にマングローブの苗はしっかりと根づき始めたのである。(上江田しず絵・金城桂子)

 

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マングローブの奥はどうなっているのだろう?

 

 

 

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