戦後、比謝川流域を始め、広大な土地が米軍基地として接収され、残された狭い土地空間に人が住み、諸施設を造ることを余儀なくされます。
1960年代から比謝川上流域に人家が密集し始め、その上に基地排水も加わって比謝川の汚染が進行していきます。復帰後、基地排水問題は減少したものの、合成洗剤を含む家庭排水、豚舎のたれ流し、工場排水、チリ、ゴミの投げ捨てによりますます汚染は進行しました。近年、流域自治体や自治会による美化運動、長期にわたって行われている下水道事業、畜舎排水対策、あるいは「比謝川を蘇生させる会」の取り組み、人々の清流への憧れ、河川環境への意識の高まりもあって、比謝川が以前よりきれいになったとも言われています。比謝川の流域に清流を求めて、川遊びに興ずる親子の姿も見かけられるようになりました。この身近な川が再び清流を取り戻すよう心したいものです。(『河川・水辺・小さな生きものたち』沖縄市立郷土博物館)
(3) 都市河川を確かめよう
資料2
「古里の川守ろうぜ」
比謝川の環境ツアー
沖縄の川の環境がどうなっているのかを自分の目で確かめようと、「子ども地域環境学習ツアー」が22日、本島中部の比謝川で開かれました。那覇市と浦添市、中城村の小中学生110人が、源流から河口までを訪ねて、川の環境をどのように守っていくかについて考えました。
比謝川をそ生させる会(中根章会長)のおじさんたちの案内で、源流の沖縄こどもの国を出発し、嘉手納町の屋良ムルチ、取水場などを1日がかりで見て回りました。
比謝川上流にはけしきの良い谷があり、全員で谷へ下りましたが、川は生活はい水が混じってよごれが目立ちました。中根会長は川をよごしているのはお互いの心です。ごみを投げ捨てしないなど、お互いの心がけしだいで川はきれいになります」と説明。参加した安里耕くん(那覇市立開南小6年)、賢二くん(同小4年)兄弟は、「川は思っていたよりもきたなかった。これからはきれいにしていきたい」とおどろいていました。
(『沖縄タイムス』・ワラビーから 平成10・8・30<月>)朝刊)