昨年度は、子どもたちが地域にとび出して、自然環境、社会環境、都市環境を自分の目で確かめるという「タウン・ウォッチング」を実施し、各地で地域や自然に対する関心や愛着心を高めている。今後、このような機会が子どもにも地域にも一層必要になってくるのではないだろうか。しかし現実には「地域での学習機会の情報」がまだまだ整備されておらず、地域教育の担い手としての指導者も不足しており、その養成が急務となっている。
したがって本年度の企画では、子どもの手によるタウンウォッチングを基に、地域での様々な体験学習情報の整備として「地域環境学習プログラム」を作成する。と同時にこれを活用する青少年育成指導者の養成とネットワーク作りも意図している。
3. 事業計画
1] 「地域教育担い手セミナー」(地域教育のネットワーク作り)
担い手ネットワーク構築のため、行政、学校、社会教育団体、地域団体、子どもエコクラブサポーター、民間教育機関等が一堂に会して「地域教育のあり方」や「連携方法とその実例」について研究討論会を行う。(対象:大人)
2] 「地域環境学習クラブオリエンテーション」
地域学習プログラム構築のため、数多くのタウンウォッチング企画を提案し、地域の子どもたちに広く参加を呼びかけ、多数の学習クラブを設立する。提案者は上記「担い手」や昨年設立したクラブ等が行い、参加対象は子どもとする。
3] 「タウン・ウォッチングとタウン・ボランティア」
“環境問題に関する地域レベルの啓発・実践活動”として、子どもたちがタウン・ウォッチングを行う。地域連携により、身近な町を調べることで、子どもたちは自分たちの住んでいる地域への関心と愛着心が高まる。この調査結果をもとに、地域環境マップを作成し、様々な体験からボランティア精神が芽生え、自主的なタウン・ボランティア活動に移行する。
4] 「地域環境学習クラブ発表会とネットワーキング」
クラブごとに調査した結果の発表とボランティア活動の報告を行う。この集いを各クラブの子どもたちと、担い手の交流の場として、地域教育活動が継続的に行われることを目指す。
5] 「地域環境学習ガイドブック作成」
学校5日制により、地域に多くを期待されることになる体験学習プログラムとして、今回のタウン・ウォッチングを生かすため、調査結果をもとにガイドブックを作成する。このガイドブックの活用と地域担い手ネットワークの確立により、地域の結びつきと、地域環境及び地域教育力の向上に貢献すると確信する。