6. 就航後の追跡調査
(1) 調査対象船
就航後一年以上を経過し、機関運転時間が長く、更にクラッチ嵌脱の激しいマグロ船を選んでDCB837.5高弾性継手を開放点検しました。
船名:A丸 397ton マグロ延縄漁船
機関:1,000PS×350rpm
就航:1996年1月
運転時間:7,000時間
(2) 目視検査
ラバーブロックの状態は外観では非常に良好でした。分割カバーを取り外した状態ではカバー側のゴムとの接触面及びアウタメンバの内側にわずかにゴムの摩耗粉が付着しておりゴムが摩滅していることが分かりました。このゴムの摩耗粉は極微量のため計量できるほどではなく、ラバーブロックの質量に変化をきたすものではありませんでした。
オゾンアッタクによるゴム表面の微細なひび割れ、またオイルによる劣化現象も一切観察されませんでした。
(3) 変形量、硬度計測
ラバーブロックの変形及びゴム硬度の測定の結果を下表に示します。外形寸法変形量は約0.9%で非常に少ない値でした。ゴム硬度は多少バラツキがあるものの全体としてはほとんど硬度は上昇してないことが確認されました。DCB837.5形のラバーブロックの使用限界は変形量で約5.8%、ゴム硬度では70度以上を限界としていますので、経年変化による劣化は非常に少ないことがわかりました。