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【ミャンマー】 (1886年英領インドの一部→1937年「ビルマ統治法」でインドから分離→1948年独立)

インド文官職→(ビルマ統治法)→ビルマ高等文官制→(1962年以降の「ビルマ式社会主義」導入・軍事政権の登場によって変化)現行制度

次に英国を宗主国とした諸国以外の国についての特徴点を述べてみる。

【フィリピン】 米国を宗主国としたフィリピンについては、米国の制度を基本としつつ、単なる米国の模倣というよりもフィリピン型として展開している。

【インドネシア】 オランダを宗主国としたインドネシアでは、1945年独立宣言を行い、独立戦争を経て、1950年に単一独立国家となり、今日の国の体制が出来上がったので、独自性が強い。

【ラオス】 フランスを宗主国としたラオスは、1953年独立し、現在共産主義国家(ラオス人民革命党の主導する一党独裁制)であるので、中華人民共和国と同様人事管理については党政不分離である。

【台湾】 日本を宗主国とした台湾では、1945年日本は敗戦の結果として撤退したので、中華民国に復帰した。1946年12月25日制定の中華民国憲法の下にある。

【タイ】【ネパール】

独立国であり、周辺諸国の影響を受けつつも、独自型である。

以上その概要についてみて来たが、どこが宗主国であったかが、その国の公務員制度を考えるうえで必要であり、また、宗主国であった国の現行公務員制度と比較することもその特徴を把握するうえで参考となるであろう。

この「宗主国との関連等について」をアジア諸国の公務員制度を考える視点として挙げた所以である。

 

3 汚職について─原因と防止対策は─

アジア諸国はいうにおよばず、古今東西を問わず、国家は、どのようにして汚職を防止するかについて努力してきたところであるが、実効があがらず亡国の原因となった例も多い。我が国においても、近時、構造的な汚職が頻発しており、これの防止に腐心しているところである。

アジア諸国で起こる汚職は、その特徴をとらえて「アジア的汚職」といわれており、大西裕氏は汚職が生じてくる官僚の風土を次のように分析されている7)

官僚の現地化が進行すると、「空白となったポストは特定の支配者集団に対するスポイルシステムによって埋められた。」「植民地型官僚制は基本的にはモノカルチュア産業の管理機構としての性格を有しており、それ自体が便益を生むものである。したがって、官職の配分は給与のみならず、官職そのものに付随するさまざまな便益をもたらすことにな

 

 

 

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