次に、新卒者の俸給額の決定の場合であるが、大学卒で一般行政職に採用された者の初任給は、通常の場合、一般行政職俸給表区分のIIB2の2630ブルネイ・ドルが支給される。高校生の場合は、通常の卒業資格で区分IIIのC1の最低額の1280ブルネイ1ドル、高位の卒業資格で区分IIIのC3の1990ブルネイ・ドルとなっている。
ちなみに民間労働者の平均賃金は、月平均800ブルネイ・ドル程度であり、公務員の給与水準は、極めて高いといえる。
3 昇給
昇給は、原則として1年に1回行われ、十分な職務遂行及び品行が判断基準となる。局内の職員の職務遂行及び品行を絶えず調査するのは、局の長の職務である。
職員の昇給を留保、停止又は延期しようとする場合は、局の長は、人事委員会にその報告書を提出しなければならない。
ある職員への昇給の付与が、通常の基準を越えて行われる場合は、局の長がその証明書を国家財務官に提出しなければならない。
昇給の起算日は、月の初日に任命又は昇進した場合は、その月の初日であり、月の初日以外の日の場合は、翌月の初日が起算日となる。ただし、区分I及び区分IIに属する職員の場合は、任命又は昇進の日の1年後の日となる。
昇給に試験が必要とされる場合に、期限内に昇給試験に合格した者は、通常の昇給日に昇給する。期限経過後に試験の正当な機会が与えられ、その試験のために期限が延長されると見なされる場合で、職員が合格するときは、通常の昇給日に昇給する。
期限内に昇給試験に合格しなかった場合で、それが区分I及び区分IIに属する職員の場合は、試験に合格する日まで延期され、その他の職員の場合は、試験に合格する日が月の最初の勤務日ならばその日、それ以外の日ならばその翌月の最初の日までそれぞれ延期される。試験合格日は、その試験が実施された最初の日と見なされる。
不合格となった昇給試験の次の試験が1年以上後に行われ、その試験に合格する場合は、その昇給は、前の試験に合格していたならば昇給した日から1年後の日より後になってはならない。つまり、何らかの理由で1年間のうちに試験が実施されないような場合には、1年という職員の利益が保護される。
4 手当
(1) 通勤手当
1] 定額交通手当
公務のために自家用車を使用する職員は、定額交通手当を申請することができる。定額交通手当は、職員の身分により、1か月あたり115ブルネイ・ドルから185ブルネイ・ドルとなっている。