採用の場合、すでに述べたとおり、新たな職の名称、応募条件、適用される俸給表のスケールを明示した公示によって募集が行われる。
スケールとは、第4章の任用の新聞公示及び官報公示を見ての通り、例えば、「F.1-2-3EB.4 $445-650」では、FスケールのF1、F2、F3からF4までの最低額すなわちF1の445ブルネイ・ドルからF4の最高額すなわちF4の650ブルネイ・ドルまでの範囲の俸給額が適用されることを意味する。
通常は、最低額からスタートする。その後、年1回、昇給する。この昇給は、俸給表の同じ線上で右に一つ進むことを意味する。上記の例ならば、F1の445ブルネイ・ドルの次の昇給は、455ブルネイ・ドルとなる。こうして一つずつ進んでゆくが、F1の一番右になった場合は、採用条件で最大F4の最高額までゆくことができることになっているので、F2の最低額すなわち、495ブルネイ・ドルが昇給後の俸給となる。さらに、右に一つずつ進んで行き、F2からF3、F3からF4と上がってゆくのである。それでは、採用条件の最高額、すなわち、F4の650ブルネイ・ドルに到達した場合は、どうなるのか。この場合、昇進等により新たな俸給表のスケールを獲得しない限り、昇給できないことになる。
昇進による新俸給の決定方法については、第4章任用の昇進の項ですでに述べた。